京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

こんなこと

遠藤

生活リハビリ?

2014年10月02日(木)

突然ですが、生活リハビリって言葉があります。

 

この言葉に何をすることをそう言うという決まりはありません。
生活リハビリとして何かに取り組むことが生活リハビリと呼ばれました。

 

だから、自分ができる移動手段で頑張って移動することも生活リハビリですし、自分で着替えることも生活リハビリです。
そして、それを少し助けながら実施してもらうことも、自分でしてもらうことも、生活リハビリです。日課で体操することも生活リハビリです。
趣味の手芸をする時間を作ってするのも生活リハビリです。

 

要は、少し自分で頑張って活動する。そういう頑張る機会を生活の中で作ることが生活リハビリと呼ばれます。
生活から離れて、「今日はリハビリの日だから行ってリハビリしてくる。」とかではなく、生活場面のなかで、日々取り組めるリハビリのことです。

リハビリの日を作るのではなく、日々のなかにリハビリ要素を入れて生活すること。または、毎日ではなくても、そういう要素をときどき入れて生活することが生活リハビリですね。

 

リハビリの日を作るとリハビリした気にはなりますが、
実際の生活にそのリハビリを反映するのはかなり難しいことです。
でも、生活リハビリは生活の中でしているので、大きな体の変化でなくても生活に反映しやすいのです。
だから、

手伝ってもらわないとできないことを、手伝ってもらいながらしていることが生活リハビリで、手伝ってもらいながらしていたことが、手伝ってもらわなくてもよくなった。これが、その生活リハビリのゴールです。

 

だれかに声掛けされないとしなかったことを、声かけられてからしているのが生活リハビリで、声かけられなくてもするようになった。これが、その生活リハビリのゴールです。

 

毎日するのはちょっとしんどかったことを、毎日続けるのが生活リハビリで、毎日するのが当たり前になった。これが、その生活リハビリのゴールです。

 

頑張らないとできないことを、頑張って続けていることが生活リハビリで、
頑張ってしているうちに、頑張らなくてもできるようになった。これが、その生活リハビリのゴールです。

 

そして、何をするかは、
今ちょっと頑張ったらできることを、日々してみようって決めるといいのです。それが、生活リハビリのプログラムになります。

 

ちょっと頑張ることが明日の元気を作ります。
さあて、何をちょっと頑張りますか?

こんなこと

土井

手遊び

2012年10月11日(木)

手遊びと聞いて何を連想されますか?

子供の頃、親や先生に叱られたイメージ?

人の話を聞いていないって思うイメージ?

落ち着きが無い?集中力が無い?・・・などなど、

とにかく、日本ではマイナスのイメージの方が多いのではないでしょうか?

 

以前、私が軽い脳梗塞を患った話は何度か書いているとおもいますが、

今でも、それできないわ・・・と時々新しい発見があり、それができるように練習しています。

でも、

一日の生活の中で、その動作を必要とする時間はそれほど頻回にはありませんよね。

また、ある程度できるようになったら、それほど練習しないようにもなります。

咄嗟には、どうしても使いやすいほうの手を使ってしまいますし、

動きが悪い状態だと、「そもそも作業できない」と使わないことも多くあります。

そんなこんなで、悪いほうの手を使おうとする機会って、思うほど取れていないのです。

なので、

似たような動きをするような手遊びをするようにしています。

意味も無いし、落ち着きが無いことだけれども、気にせずやっています。

癖や遊びみたいなものなので、心地良かったりとか、なんとなくやりたくなるような、

そんな所がポイントだと思っているので、

そのうち、マイブームみたいにやるようになってしまう感じですが、

そんな手遊びで、結果的にそれなりに運動量が確保されています。

どんな練習をするかも大事ですが、

自然とやっていけるような設定次第で運動量が変わるというのが、私の実感ですね。

こんなこと

遠藤

作業療法室には新聞があります

2012年9月15日(土)

OT室には毎朝新聞が届きます。
この新聞は、訓練に使います。

 

昔、この新聞をとりたいと希望を出したところ、
これは、どこで買えるどんな新聞なんだ?という問い合わせが事務からありました。
私は、あれっと?思いました。
普通に地元情報が載っている「○○新聞」を指定していたのです。
でも、事務では、
きっとこれは、リハビリの訓練で使うと言っているから、
自分たちが知っている「○○新聞」ではなく、
特殊なリハビリ訓練用の新聞にちがいないと、思ったらしいのです。

 

なるほど、一般の方から見たら、
「リハビリの訓練=特殊な事」なんだと思った瞬間でした。

 

もちろん特殊な道具もありますが、
実際にはそんなに特殊な事だけが大事ではなく、
普通な事が大事だったりします。
なぜなら、普通の事ができたり、普通の事が上手になる事も大事です。
そして、普段と違う物は認識できなくても、いつも使っている物なら認識できる事があります。
身近なものだから抵抗無く使ってもらえたりします。

 

だから、
特殊な訓練をするための道具もありますし、
普通に身の回りにある物も訓練道具として使います。
どちらが、良いということもありません。
どちらも使い道がありますし、利点があります。

 

あなたの手元に届く新聞も、生活に帰るためのリハビリをいくつも作り出す道具だったりします。
 今日の日付などの確認に使う
 記事を声を出して読む
 記事を書き写す
 記事を覚える
 ページをめくる
 折りたたむ
 束ねる
 ページを裂く・千切る
 いろんな工作に使う
 その他
いろんなことにリハビリで使います。
もちろん普通にリハビリの待ち時間に新聞を読んでもらう事もできます。

 

そして同じようにチラシも使えます。

 

普通の物でも、できるリハビリがあります。
普通の物だから、できるリハビリがあります。
だから、ご自宅でもいろんなリハビリができます。
もちろん、やる気になれば…ですが。

そんなこと

遠藤

リハビリスタッフも悩みます

2012年8月21日(火)

リハビリスタッフも家族と一緒で、いつも悩んでいる事が有ります。

 

包丁やナイフを使わすか、使わさないか?

子育てでも経験した方は多いでしょう。

持たせるべきか、まだ早いか?

 

横についていても怪我をします。

でも、横についていないともっとたくさん怪我をするし、

大きな怪我をするかもしれません。

それに、怪我をした時に対応が遅れます。

 

だから、

親は横についています。

 

介護されているご家族の皆さんも同じ気持ちになる事が有るのではないでしょうか?

 

リハビリスタッフも一緒です。

リハビリでは日常危なくて、できない事を訓練でしたりする事が多いです。

訓練で怪我をしない保証は有りませんが、スタッフがついている事である程度防ぐ事ができます。

そして、怪我をした時にすぐ助けを呼んだりできます。

だから、怪我しそうな事までリハビリでする事ができます。

難しい事をしないで、難しい事ができるようにはなりません。

転けるはずのない事だけをして、転けにくい能力は身につきません。

刃物を使わず、刃物が使えるようにもなりません。

何も喉に通さずに、食べれるようにもなりません。

 

怪我をするから何もしない生活よりも、

怪我を抑えつつ頑張って勝ち取るワンランク上の生活を目指しています。

 

もちろん無駄に怪我をさせたくないので、絶対できない事をする訳では有りません。

難しい事をする時も可能な限り安全に配慮します。

ただただ、安全のためだけに、手に入る生活をあきらめたくないだけです。

いつも患者さんには限界に挑戦させてあげたいと思っています。

 

でも、一方の気持ちでは、

やっぱり絶対に怪我をさせたくないんです。

患者さんといる時は、いつもいつも、ハラハラドキドキです。

 

ご家族の介護をする時も、ハラハラドキドキする事があると思います。

今日のための安全、明日のためのハラハラドキドキです。

でも、絶対に無理な事は安全のためにやめておきましょう。

ハラハラドキドキを実行するためには下準備が大事です。

悩んだ時は相談しましょう。

 

今日もあちらこちらで、

ハラハラドキドキしているスタッフがいっぱいいます。

へんなこと

土井

やってみて気づくこと

2012年8月19日(日)

約1年ほど前、出かけた先で妻と2人で食事を食べたときのこと。

どうしても、お肉腹であった私は、ステーキコースを食べました。

何年もナイフフォークで食べるような食事をしていなかったので、

「久しぶりやね」といいながら、

前菜やスープを食べはじめたまでは良かったのですが・・・

 

お肉とライスを食べはじめると、

どうも左手のフォークで口に運ぶ動作がやりにくい。

「なんか食べにくくない、このフォーク」と聞くと

「そう?」

「よく見ると、おしゃれな形やし、この微妙なカーブのせいかな?」

「手に馴染まないのかもね」

なんて話していました。

食べ進めると、

フォークの背にライスをのせるまでは良いのですが、

ライスを口に運ぼうとすると、落としてしまう。

かなり意識しないと、口に運べないのは・・・久しぶりやからか!?

 

と思っているうちに、

次第に左手に入る力が強くなってきて、手に違和感が出てきた

これって・・・・

ここでようやく、なんで食べにくいのかに合点が行きました。

数年前の脳梗塞(とっても軽い部類ですが)の影響だと。

病気の後、しばらくの間、何をするにも感じていた違和感でした。

発症後、

職業柄、どういう風にしたらうまく使えるようになるかを細かく考えて、

工夫やトレーニングをしていたので、

利き手ではない左手でも、さほど困らないくらいには問題をつぶしたつもりでしたが、

ナイフとフォークで食べる食事が、特別な手の動かし方だなんて、考えても無かったのです。

それに、ナイフとフォークで食べるのに必要な動作の中には、

「その手の使い方をさせないようにリハビリする」と教えられた動きがありました。

 

どんなことでも、実際やってみないとわからない・・・は正直な感想です。

トレーニングしてからリベンジしましたが、ちゃんと快適に食べられました。

快適に食べられると、よりいっそう美味しくいただけるのは不思議ですね。

 

しかし、箸を使う動作も難しいけど、ナイフとフォークやるな・・・

こんなこと

遠藤

歩く介助どうしてますか?

2012年7月25日(水)

介助方法にはそれぞれ理由があります

 

歩く時に両手を前から持って、引いてあげる方法は、よく見かけます。

これは介助者が先に立って歩き、進行方向に介助者がいる。介助者が見える、介助者を持っているという誘導しやすく、安心感が生まれる方法です。

例えば、子供や目がよく見えない方、行き先に不安が強い方には、比較的よく使われています。

ただ、この方法は介助者は既に両手で相手の両手を持っているため、相手がこける時に、支える事はできません。ですから、転けやすい方の介助にはあまりお勧めできません。

 

そして、

歩行練習中にリハビリスタッフは、患者さんの横や後ろから位置を変えたりしながら介助する事が多くなります。

これは、介助だけでなく、運動の操作もしている事が多く、同じ患者さんであってもする内容に合わせて立ち位置や、手で触れている位置が変わります。

 

歩く人を介助する時は、

介助の目的が誘導なら手を引いてあげる方法でも良いのですが、

目的が転けないようにとか、転けると危ないからだと、横からサポートするのが一般的ですね。

両足にあまり力が入らない人をなんとか歩かしてあげようという目的だったら、後ろから支えるのが良いかもしれません。

ほかにも、杖や歩行器など道具も検討するでしょう。

同じ歩く介助でも、その人の状態によって、その介助目的を達成しやすい方法を考えてすると互いに楽になります。

これは、歩く介助だけでなく、どんな介助にもいえる事です。

そのお手伝いも

リハビリスタッフはもちろんですが、それ以外の回復期リハビリテーション病棟やデイケア、デイサービスなどの看護・介護スタッフの仕事でもあります。

 

介助方法を担当の方にぜひご相談ください。

気づいていない何か良い方法が有るかもしれません。

もしその時思いつかなくても、一緒に考えてくれますよ。

 

自分一人で悩むより、そばにあるたくさんの知恵を使いましょう。

こんなこと

土井

こんなこともトレーニング

2012年5月03日(木)

過去の病気のこともあって、

左手のトレーニングをかねて、たまにピザやパンを焼くようになりました。

かなり回復した今となっては、パンを焼くことは少なくなりましたが、

(実は私、生粋のご飯派でして_(^^;)ゞ、パンをあまり食べません)

我が家のホームパーティといえば、ピザが定番となっています。

 

トマトソースに時間がかかるので、少しだけ手抜きしている部分もありますが、

トレーニングと楽しみの両方から、生地も含めて自分で作ることにしています。

先週末にホームパーティがあったので、いつも通りピザを焼きました。

 

生地を捏ねて・・・

纏めてから、しばしのあいだ発酵させて・・・

発酵した生地を延ばして・・・(丸くないのは気にしない気にしない)

具をのせて焼いて・・・完成!!

(マルゲリータ/キノコ/じゃがベーコンと自家製アスパラ/黄桃カスタードの4種でした)

 

ピザやパン生地を手で捏ねるまとめる動作が、トレーニングにぴったりです。

多少不器用に動かしてもちゃんと捏ね上がりますが、

上手に手を動かさないと捏ねにくいのがトレーニングとして素晴らしいと思っています。

それに、成型のところで不格好になったとしても、おいしく頂けますので、

達成感も十分に味わえるのではないでしょうか?

次こそきれいな格好に・・・という欲も出てきます。

 

自分がいろいろできるようになるためのリハビリを・・・となると、

「ベッドに寝て動かしたり、揉んでもらう」「先生にやってもらわないとできない」「家ではできない」・・・になりがちですが、

生活の中でのちょっとしたこんな作業が、あと一歩使える能力となります。

 

皆さんの周りにも、自分の体にいいこと、きっと見つかると思います。

何かはじめてみませんか?

どんなこと

土井

ちょっとで大丈夫?

2012年4月15日(日)

以前のエントリ[川平法]で、

患者さんが自ら活動的だったというお話をさせていただきました。

近年話題の促通反復療法(川平法)ですが、

一つ一つの動きを100回やっていることも特徴のひとつだと思います。

自主訓練でも同じようなことだそうで、

立つ練習をするぐらいの人には、毎日100回200回と立ち座りの自主トレをされています。

もちろん、立つ練習をされるぐらいですから、一日100回200回立つなんて相当キツイ。

でも、慣れてくる頃にはしっかりと立てるようになる。

リハビリ以外の時間の使い方ひとつでも、大きく影響することを再認識しました。

さて、

前回のエントリで「リハビリはきばらないことが大事」とお話させていただきましたが、

どんどん動かして、運動量を多くすることも回復への近道です。

(※注 医師から動かないように指示されているなど、状態の悪い場合を除きます)

一見、相反することのようですが、

1回1回を大事にしながら、今の自分の課題に合わせて運動量を確保することはできます。

テレビCMの度に20回やったり、朝昼夜ご飯前後に50回ずつやったり・・・、

持久力が付いてくれば、朝夕で100回、その頃には出来るようになる。

そもそも、どんな事でもそうですが、

普段生活している中で運動していないとはいっても、まいにち結構動いているもの。

料理するのに40分、洗濯干すのに20分、スーパーでカートを押して30分、

結構立っている時間も長いし、あちらこちら行ったりきたりで立ち座りも何十回・・・。

ご飯食べるのに20分、歯磨きで5分、化粧に10分、その間ずーっと手は動いている。

 

大事なのは、

○○できるようになったら○○するのではなく、○○に取り組んだから○○ができるようになるということ。

(○○には勉強や野球・・・なんでも共通ではないでしょうか?)

 

症状や後遺症などいろいろあって、病気や怪我のあとには運動量が少なくなりがちです。

きばらず、気負わず、どんどん動いていきましょう。


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