京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

こんなこと

遠藤

一見してできる?できない?

2012年11月24日(土)

何ができて、何ができないのか?
一見しただけでは勘違いすることがあります。

 

たとえば、ものすごく早く文字を入力するタイピング能力の高い人が、
パソコンのことに詳しいかって言うと、そうでもありません。
でも、パソコンに向かってものすごく早くキーをたたいて文字を入力していたら、
絶対一見して、パソコンに詳しいに違いないって思いますよね。

 

でも、今は学校でも、仕事でもパソコンを使いますから、
文字を入力することには慣れて、ものすごく早く打てる人が結構います。

 

私はそれほど早く文字を打つことができないので感心します。
でも、そんな人から初歩の初歩って感じのことを聞かれてたまにドキッとします。

 

そうなんです。
見かけができそうだからつい、できていると思ってあまり簡単な操作は指導しなかったりするのです。
全部がたどたどしかったら、こちらで配慮して簡単なことについても指導するかもしれません。
しかし、できていると思っているので、当たり前の事については流して、
難しい操作の話しかしなかったりします。

 

後になって、「何ができなかったの?」ってたずねて、
「えっ、そんなことで困っているの?」って事があります。

 

できるように見えても、それは今見えるところができているだけってことは多々あります。

 

それは誰でもどんなことでも同じです。
私たちもリハビリで患者さんの状態を評価しますが、時折驚かされます。
一見できるように見えるけれど、できなかったりすることがあります。

 

しかし、反対に一見できないように見えて、実はできる人が居ます。
そして、私たちリハビリスタッフがする仕事は、この
「一見できないように見えて、実はできる」ことを見つけ出すことも一つです。

 

目に見えるからだの障害は、これが動かないからできないだろう。
でも他は動くから、これはできるだろうって考えにいたるのは難しくありません。
しかし、特に認知症や高次脳機能障害など、目に見えない障害は、
「一見できるように見えて、できなかった」っていう積み重ねで、
周囲から「何もできない」っていうレッテルを貼られてしまいがちです。

そこから再度、「一見できないように見えて、実はできる」っていうことを見つけて、
それを一つ一つ積み重ねて、できることがあるって実感して、周囲にも知ってもらって、
これならできるかな?って思ってもらえる。
そんな生活を作っていくこともリハビリです。

 

できることが見つかったら一緒に喜びたいですね。

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