道具使うのもリハビリ?
2014年7月04日(金)
自助具
文字の通り自立を助ける道具という感じですね。
ちょっとできないことを、道具を使うことでできるようにする。
そんな道具たちのことを自助具と言います。
※ 食器、スプーン、爪切り、靴下をはく道具、ボタンをとめる道具、...いろいろあります。
目指すは、自立です。
皆と同じことを同じようにはできなくても、ちょっと道具を使って、
少し違うやり方ですると…できる。
もしくは、今使っている道具を少し改良することで…できる。
そんなできるを作る道具たち。
でも、養成校で学ぶまでは自助具という言葉を知りませんでした。
リハビリの一つが、このような道具による解決です。
何も、リハビリというのは体を治すことばかりではありません。
なので、そんなことも提案したり、考えたり、作ったり、それもお仕事ですね。
でも、大概は道具があっても、その道具を使いこなすために練習が必要だったり、
その道具を使えるようになるために体の機能訓練が必要だったりすることが多いのです。
とどのつまり、練習や訓練が必要になります。
道具があることで、ゴールが近づくってところです。
中には、道具を使いながら生活を送っていると、いつの間にか、その道具もいらないようになった方もいらっしゃいます。
道具を使って生活を送ることで、生活の中で良い活動する時間が増えて、体も動きやすくなったようです。
生活そのものがリハビリになるって証ですね。
いろんな自助具があります。
もし、もうちょっとでできそうだけど、できないこと。
そんなことがあったら相談してみてください。
もしかしたら、なにか解決方法があるかもしれません。
体の強化だけでなく、
時には、道具と体のコンビネーションで、元気に過ごせる生活を作りましょう。
さて、今日は当院の創立記念日です。夜は式典です。
たまにしか着ないスーツに着替えて、行ってきます。
食わず嫌い
2013年6月25日(火)
私の足には時々痛む二つの古傷があります。
こんな風にいうと何かまだ格好がつくのですが、じつは…
ひとつは、小学生のころに体育館の舞台下にあるパイプ椅子を収納する大きな引き出しに、
片づけをしていて、自分の足をひいてしまいました。
もうひとつは、これも小学生のころにシーソーで足を挟んでしまいました。
なんともどんくさいことで、
この古傷らは、いまも現役で痛みを出します。
おかげで、ときおりひょっこひょっこと歩いています。
シーソーの方は、寒い季節になると少し痛む時があるぐらいですが、
体育館の方は、年々痛みやすくなってきたようで、最近は靴選びが難しく、
ほとんど、痛みが出ない靴というのがありません…困ったことです。
ですので、仕事中は比較的大き目の靴を履いています。ちょっとブカブカです。
そして、普段それでは動きにくいので、地下足袋を履いています。
地下足袋も今は普段履き用にお洒落なものもありますので、ひとつの選択肢になりえました。
まあ、明らかに足袋の形ですので、そこは変わりませんが。
しかし、これがまた、コンクリートはともかく、土の地面の上を歩くと気持ちがいいんです。
※余談ですが、地下足袋をリハビリの訓練用に使う方もいます。
もちろん足の変形などでしたら、オーダーメイドの靴を作るのも一つです。
私も考えましたが、足の形はそれほど変形していないので、
私は地下足袋を選んで使っています。
靴ひとつをとっても、いろいろな種類があります。
もちろん、人と少し違うものを選択することに抵抗があるとも思いますが、
ちょっとそこを乗り越えると、楽な生活を再度手に入れることができたりします。
靴に限らず、車椅子や杖、福祉用具や便利道具、介護サービスも
「食わず嫌い」の前に、ちょっと勇気をもって、○○を使って外に出てみませんか?
使い始めると、「新たな発見」意外と良い事もありますよ。
熱風が…
2013年5月23日(木)
最近熱くなってきたので、久しぶりに車のエアコンで冷房をつけました。
なんと、出てくるのは熱風ばかり...。
何で、熱風かとおもいきや、外の空気が吹き出し口から出ているだけになっているようです。
これでは、使い物になりません。
窓を開けて、後は汗が流れるままに我慢となりました。
乗り物に限らず、福祉用具も、杖も、車椅子も、トレーニング用品も、…
しばらくぶりに使う道具は、こんなことが起きます。
最近使っていなかった道具を使うとき、誰かから譲り受けた道具を始めて使うときは気をつけてください。
整備不良とは言わなくても、物によってはしばらく置いているだけで消耗するものもありますし、見えないところが劣化していたり、腐食していることがあります。
使う必要がある前に事前点検が大事ですね。
「転ばぬ先の杖」
でも、最近使っていなかったなら、その杖にも事前点検が必要かも知れませんね。
新年度から、就職して働く●●療法士さんへ、
2013年3月18日(月)
仕事柄、
車椅子や教科書にあるような福祉用具に限らず、どんな物が使いやすいかなど相談を受けることがでてきます。
そのとき、
自分に知識が少ないときは、ついつい流行に乗りがちです。
流行っている物に悪いものはない
あながち間違っていないと思います。
しかし、
悪いものはないかもしれませんが、良いものとは限りません。
みんなが使っているから大丈夫って言うのは問題です。
良い悪いの価値観は人によって違います。
そして、同じものを同じ用途で使うにしても、
みんなにとって使いやすいものが、その人にとって使いやすいとは限りません。
考えると当然です。
だって、身長も体重も体型も、手や足、指の長さも太さも違います。
体の固さも違います。筋力も違います。性格も気性も得て不得手も違います。
だから、みんなと同じわけがありません。
もちろん患者さんや利用者さんには、病気や怪我により、身体や高次脳障害がある場合もあるでしょう。
だから、人が使っているのをみて、
「あの症状にはこれが合う」なんて簡単に思い込んではいけません。
その症状があっても、症状以外にも、人ととして、その人と違うところがあります。
中には、「あの人だからあの症状があっても、あれが使いやすい」っていうこともあります。
その人のことを知らないとその人に合う物の選定は出来ません。
症状だけではなく、人としてもちゃんと評価してアドバイスしてくださいね。
そして、価値観は人それぞれです。
自分とその人の価値観も違うこと忘れないでくださいね。
生活の道具選び
2013年1月28日(月)
ユニバーサルデザインの7原則って物があります。
どんな人でも公平に使えること
使う上で自由度が高いこと
使い方が簡単で、すぐに分かること
必要な情報がすぐに分かること
うっかりミスが危険につながらないこと
身体への負担がかかりづらいこと(弱い力でも使えること)
接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること
[ ウィキペディアより ]
ある人にはとても使いやすくても、他の人にはいつもの物より不便だったり、
あまりにも形が違って、操作手順も増えて、使うときの力は少なくてすんでも、手順が覚えられないものだったり、
操作手順の中に、一つ手順を間違うと怪我をする道具だったり、
弱い力で動く仕組みだけれども、触れる面が小さくて、力がかけづらかったりすることもあります。
ユニバーサルデザインとは、そういう物ではないって事です。
ただ、全員に合わせた道具が、その人にとって必ず一番のものとはなりません。
たとえば、
私たちが福祉用具を選定する場合は、ユニバーサルデザインよりも、もう一段も二段も身体に合わせた物を探します。
その代わり、それを闇雲にしていると、その人しか使わない道具は良いのですが、
共用する場所や道具に関しては失敗してしまいます。
そういう箇所にはユニバーサルデザインの考え方が大事になります。
生活の場は、その人一人の場所ではありません。
一緒に生活する家族がいたり、一緒に働く仲間がいたりします。
その人達と共有するものや場所は、その人のためだけにカスタマイズすると問題が生じます。
その時こそ、このユニバーサルデザインの考え方を用います。
ですから、住宅改修や福祉用具を買ったり選んだりするときは、必ず、
その人の生活だけでなく、一緒に生活する自分たちの生活もイメージして選んでください。
道具は自分で選ぶべきです。
それはその人が選ぶというだけでなく、家族も含めた自分たちで選ぶ必要があると思います。
ご家族の皆さんが使いづらいと、結果としてその人も安心して生活できません。
その人専用のものはともかく、共有するものは、家族間でもしっかり話し合ってくださいね。
その為に必要なアドバイスは、スタッフに色々尋ねてください。
生活の中で使うものだから、
ユニバーサルデザインのように、どんな人でもとは思いません。
家庭の中で、家族が公平に使えたらいいなって思います。
応援してください
2012年12月20日(木)
車いすや杖、福祉用具など、いろいろとある世の中になりました。
バリアプリーより、一歩進んでユニバーサルデザインが当たり前になりつつあります。
しかしながら、経済活動としては、医療・介護分野は特殊だそう。
良いものが世の中で出回るかといえば、そうではないようで、
価格面でも、一般の商売のようにはいかないようです。
たとえば、車いす。
部品も、要求品質も、自転車とほとんど変わりません。
比べてしまえば、自転車のほうが構造は複雑なのです。
特殊なことと言えば、体になんらかの支障がある人が使うという点だけ。
しかしながら、
自転車の最安値は、数千円からありますが、車いすははるかに高額。
自転車で言うところのママチャリ並みの品質の車いすは、7~10倍の値段。
また、オーダーメードで比べると、車いすのほうが安価ですが、
品質も性能も歴然とした差があり、自転車のほうが良品。
でも、部品交換型(モジュール型)の価格は同じくらいです。
他方、海外に目を移すと、
品質も、価格も、購入される方の感覚も、車いすは自転車に近いようです。
日本では、社会保障制度によって公的に設定されるものがあるため、
その認可をとったり、書類上の手続きの影響や要求品質があるのですが、
普通に自転車にも、製造上似たようなことはありますし、
そもそも、自転車よりも低い品質のものが多く出回っていることからも、
必ずしも、医療・介護だから特殊だということもないように思います。
ただ、自転車のような感覚で購入している人は少ないですし、
公的資金関係で補助を受けられるなどの、指定されたものが出回りやすい。
良いものが市場に出ない、良いものを作る会社が儲からない、
そんなことが極端に出ているような業界が、福祉用具などの分野です。
せめて、自転車のように、良いものを選んで、価値を感じて、買うことができたら・・・、
頑張った会社や製品を少しでも応援できければ、
もっと良いものが選ばれる社会になるのではないかなぁと思ったりしています。
いつかは活躍…
2012年10月14日(日)
ずいぶん昔な気がしますが、何年前でしょう?
これは、バリアフリー展でしょうか?それともHCR国際福祉機器展でしょうか?
どっちかで買ってきたものです。
当時はまだ独身でした。
私の受け持つ患者さんにも子供は居なかったのですが、
この「手のひらスプーン」を見た瞬間に一目ぼれして、買っちゃいました。
確か、6000円ぐらいしたと思います。
(ちょっと調べると2005年の10月に発売されたようです。新製品だったと思うので2006年にでも買ったのでしょうか?)
グリップがグルグル動かして位置を決めれるので、握ったときに良いポジションに来るんです。
握り方もかなり自由が利きます。
チタン製で意外と軽いんです。
しかし、
いかんせん子供用ですから、私にはグリップも小さいし、柄も短いのです。
そこで、
作業療法室になにげに置いてみました。
うーんなんとも、そりゃそうですよね。それを使う人は居ませんよね。
だって、患者さんも大人ばっかりですから。
まあでも自分でグリップを加工するときとか、
参考になるかな?っと、とりあえず、作業療法室に何年も置いていました。
結局使われないのは報われないので、
結婚して、子供も居る今は、我が家に持って帰って、使う事にしました。
しかし、やっぱり普通のが使えるので、使わず…またもや我が家に眠る珍品になりました。
最近見かける中でも良い商品だと今でも思うのですが、
私の周囲には需要がありませんでした…グスン
愛用品が壊れちゃったよ
2012年10月04日(木)
10数年程、愛用していた腕時計が壊れました。
もともと、腕時計は好きではなく、学生自分より懐中時計を使い、
就職してからも2年は懐中時計を使っていました。
しかし、
訪問リハビリをお手伝いする事になった折に、どうしても懐中時計では不便があり、
腕時計を探してこの時計を見つけました。
この時計にした決め手は、見た目が気に入ったのはそうなんですが、
秒針が見やすい事と、文字が見やすい事、これは仕事上での実用性ってことで、
それ以外に何より、私は手首が細く大きな時計は合いませんから、
あまり文字盤が大きくない事です。
私の手首は細いので女性用の時計がちょうど良かったりしますが、
女性用はさすがに身につけているとあらぬ誤解を招きそうなので、
男性用の時計から探しています。
この手首の細さが腕時計を敬遠していた理由でもあったのですが、
この時計を見つけてからは、腕時計を毎日つけるようになりました。
そして、電池交換、ベルト交換を何回したでしょうか?
特にベルト交換は、普通に買ったままではベルトの穴が手首に合わないので、
いつも穴をもう一つ自分で開けて使っていましたので、
穴の始末もできず穴がつぶれやすかったのでしょうか、
何度もベルトは交換しましたね。
その時計もとうとう壊れてしまいました。
メーカーのホームページにも同じものはないようです。
時計屋さんを目にすると一応探すのですが、ピンと来るのになかなか出会いません。
人との出会いもそうですが、物との出会いも一期一会
今出会えたことを大事にしたいですね。
どんなものでも欠点はありますが、自分が選んだものには自分が見出した利点があります。
その利点が他の物にも同じようにあるとは限りません。
どんなときでも、
自分の物は自分で選ぶってことは忘れないでいたいです。
だからこそ愛着もわくし、満足もできると思っています。
福祉用具も同じです。アドバイスはいろんな方から頂いても、
これからの幸せのためには、使うあなたが選ぶべきだと思いますよ。
カメラ買っちゃった
2012年8月17日(金)
実は、この前海にカメラを持って行くと、
私のカメラに砂が絡んでダイヤルボタンがザリザリと異音を発しまして、
これは故障の元だという事で、
買う事に決めました。
防水カメラは基本的に取った写真のキレイさが、さほどという印象を持っていまして、
買うのはかなりためらっていたのですが、
今のカメラが砂で壊れるのは困りますから、カメラを買いに行きました。
カタログを見たり、インターネットで検索したり、店舗で実際のカメラを触ったりして、
決めました。
今回は写真のキレイさよりも、
持ち運びの簡易さと、自分の持ちやすさと、見た目と値段で決めました。
要は、きれいな写真を撮るのは1台カメラを持っているし、
あくまでも日常の遊びに持ち運びしやすいカメラとして買いました。
そしておまけで、子供用にも1台買いました。
大人用と違い、子供用は操作の簡単さと、小さすぎない事と、単三電池で動くって事と、値段重視です。
※ボタンが分かりやすく、電源を入れて、シャッターを押すだけの簡単操作が一番です。
※子供用はやっぱりバッテリーより電池で動くほうが子供も分かりやすいし、対応しやすくて良いかと思っています。
※小さすぎると息子はまだレンズを避けて持つって事ができませんから、ある程度大きくないと手でレンズをふさいでしまいます。
次に海に行っても、今度は壊れる心配なくカメラが使えると思います。
息子はシャッターを押すときに腕ごと下がってしまいますが、何とか写真が取れるようで、
時々遊びで貸していた私のカメラはファインダー越しでしか撮れず(ライブビュー機能がありません)、
重くて息子の力ではレンズを上に向けて維持する事ができなかったのですが、
今回のは軽いので使いやすいようです。
ファインダーが無いのに最初ファインダーがありそうなところに目を寄せて、
撮ろうとするのは少し笑いました。
しかし最近のカメラは本当にファインダーが無いんですよね。
ライブビューっていうこの機能しかないのは、
ファインダーで撮るのに慣れた私には、構え方が分からなくて撮りにくいんですが…。
時流ですね。
道具は使い分けも大事ですよね。
でも、使い分けるときは何かをあきらめて何かを選ぶ必要があります。
今回はカメラでしたので、高画質をあきらめて、気楽にアクティブに使える事を選びました。
でも、画質をあきらめたおかげで、値段も抑えられたし、遠慮なく気楽にアクティブに使い倒せますね。
福祉用具でも同じです。
全部ができるものは基本ありません。何かをあきらめて、何かを選びます。
できるものを探すより、あきらめられる事を決めるほうが難しい事がいっぱいあります。
でも、何かをあきらめたおかげで、したい事に専念できることもあり、
それが何よりも使いやすさにつながる事もあります。
何でもできる多機能だからって満足できないって事は彼も言っています。
物を選ぶときは、後でこんなつもりじゃなかったと後悔しないように、
しっかり何をあきらめるか選んでくださいね。
手を鍛えることと解決すること
2012年8月14日(火)
手技を身につけるために、普段から手を鍛えることを彼が書いていました。
技は感覚が大事だと思います。
誰かが言ったとおりに、教科書に書いてある通りに動かしても
適切で微妙な調整を随時できないと到達しません。
介助も同じです。
たとえば、同じ移乗の介助でも、相手が裸だったりしても、
ちゃんと持てる人と、持てなくなる人が居ます。
これは、普通は持てなくなります。
だから、入浴介助がとても難しいのです。
で、持てる人に教えてもらおうと思っても、教えてもらえません。
なぜなら、教え方が分からないからです。
持てる人は、気づいたら持てるようになっているんです。
何が違うかといえば、彼が言ったようなことなんです。
じっさい、なぜ介助のときに手が張り付いて持てているのか?言葉で表現は難しいのです。
でも、持てないからといってあきらめる必要はありません。
この世には福祉用具や自助具といったお助け道具を考えたり、作ったりする人や会社があります。
お風呂で介助するにも、リフトや介助ベルトもあります。
そして、
ご家庭では用意できない道具や人手を使った介助で入浴させてくれるデイサービスやデイケア、
訪問入浴などのサービスがあります。
介助ができるようになることも大事ですが、どうやって解決するかが生活上の介護ではとても大事です。
そして、いろんな解決方法があります。
あなたの家庭生活に合った解決方法を探してください。
私たち作業療法士も、お助け道具を考えたり作ったりする職種の一つです。
確か昔、訪問リハビリの求人広告で「スプーン一本から住宅改修まで」ってボスが書いていましたね。