学生さんへ「勉強の先は見えていますか?」
2012年10月24日(水)
何のために勉強しますか?
テストで点数を取るためですか?
テストで点数を取れたら満足ですか?
違いますよね。
もちろんテストはふるいをかけられますし、
合否が出たり、皆と比較されたりもします。
それでもテストは到達点を測るだけのものですよね。
勉強はテストの後で役立てるためにするんです。
特に、資格を取るためのテストは、
そのテストに受からないと、せっかくの勉強も活かして使うことができません。
だからテストに受かるために勉強するのでしょう。
しかしそれでも、テストのために勉強するよりも、
資格を取った後に、自分が活躍できるために勉強してほしいと思います。
だからテストと関係なく勉強をすることができるし、
テストの後も勉強を続けることができると思います。
そして、
そういう勉強をしている本人は、
自分がそれほど勉強しているとは思っていないと思います。
勉強を勉強として頑張ってしていないのに、勉強できる人がクラスには結構いますよね。
きっと、目先のテストよりも向こう岸に、自分のしたいことがあるんだと思います。
資格を取った後の活動のために勉強していますか?
それとも、資格試験のために勉強していますか?
目指しているのは資格ですか?仕事ですか?
あせらなくても自分が目標に到達できるものを身につけていけば、
テストの結果は自ずとついてきますよ。
身につけていなければそれは仕方ありません。
再度受けるなら、それまでに身につければいいのです。
テストはそれを確認するための測りですから。
どんな仕事っぷりの人になりたいですか?
その目標のために勉強していますか?
養成校入学を検討中の皆さんへ
2012年7月15日(日)
就職難だから就職率が良いらしい、給料もよさそうって理由で、
何をするかも、本当かどうかも良く分からずに、
作業療法や、理学療法の学校に入る方がいらっしゃいます。
別にきっかけは何でも良いのですが、
学校も入学したら必ず卒業できるわけではありません。
※私が学校に入学したとき同じ学年に40人近く生徒が居ました。
しかし、その中で一緒に卒業したのは半分いませんでした。
国家試験も受けたら必ず受かるわけではありません。
※最近の国家試験合格率は、80%程度です。厚生労働省のホームページで毎年公開されています。
※ちなみに、養成校の卒業が国家試験の受験資格です。
短くとも養成校に3年間は通う必要があります。
※就職口がたくさんある時代は続きません。
たくさんあっても自分が選んだ先に就職できるかどうかは難しい。
そして、
この仕事は、別にかっこよく儲けられる仕事ではありません。
たとえば、触る患者さんはもちろん治療中だったり障害があるのですから、
感染症もあれば、体液も体についていたりすることがあります。
そして、お風呂やトイレの介助もしますし、おむつ交換だってします。
病院や介護施設に勤めれば、
制度で一日にリハビリできる上限人数、
一回当たりの時間や金額もすべて細かく定めれています。
要するにどんなに頑張っても得られる報酬の上限が決められています。
物を作ったり売ったりする商売と違って、
金額を自分で設定して、高値で売ったり、薄利多売もできません。
だから、夢見る年収にはなりません。
そして、
赤ちゃんから筋肉隆々の若者、高齢者まで相手にするお仕事です。
女性的な視点、男性的な視点どちらも必要です。
力仕事も繊細な仕事も必要です。
だからこの職種は女性が有利、男性が有利って言ってもたかが知れています。
専門職ですから、より厳しく見られ、しかられることもあります。
しかし、この仕事は真剣に取り組むほどにやりがいが増します。
汚れたくない、楽したい、儲けたいって言うならばお勧めできません。
でも、
人と関わっていく仕事をしたい。
何かを一緒に成し遂げたい。
人の気づかぬことをアドバイスしたい。
何でもやってみたいって人なら、きっかけは大したことではありません。
ぜひ、
どんな仕事か調べて、興味がわいたらできれば見学とかして、
納得したら学校に入って、卒業して、国家試験受けて、合格したら
一緒に仕事しましょう。
※病院や施設ごとに就職試験もあります。
当院にも就職試験があります。
失敗したら(その3)
2012年2月17日(金)
最近ここ2ヶ月ほどの間に、3回怒鳴りました。それ以前に怒鳴ったのはもう10年以上も前です。
私に怒鳴られたのはみな20代の若いスタッフ4人です。彼らは怒鳴られるほど悪いことをしたのか…。
結論から言えば彼らの失敗自体は怒鳴られるほどのものではありません。
誰しも失敗はあるものです。私にだってあります。
ではなぜ怒鳴られたのか。
謝罪もなく、言い訳に終始していたからです。
最近の若い人に多いのでしょうか。自分がしたいことにやりたいことに拘泥するあまり、周囲にどれほど迷惑をかけようが、まったく意に介さず、注意されても謝罪や改めるどころか、言い訳だけしてさらにゴリ押ししようとする人がいます。
そういう人は何故事態が悪化しているのか理解できず、誰かに注意されるまで、謝罪することさえしません。
失敗したら謝罪。言うまでもなく基本中の基本ですが、できない人が増えているようです、残念なことに。
そういう若いスタッフの実態を見て、「一体養成校は何やっている」と憤る人もいます。
そう言いたくなる気持ちはわからんでもないですが、謝罪は専門学校や大学で教えてもらう高等技術ではありません。それまでに培っておくべきものができていないと言うことでしょう。
それは親の問題でもあるし、小中高教育の問題なのかもしれません。そうして間違ったものを、最低でも18年間培ってきたものを、わずか3~4年で修正できるわけもないでしょう。
わが子を叱る時はいつもそんなことを頭の片隅で考えています。
失敗したら
2012年1月30日(月)
まずは、報告、連絡、相談いわゆるホウ・レン・ソウですね。
学生からいきなり社会に出てきた人たちは、その習慣がありませんし、失敗どころかホウ・レン・ソウがないと叱られることも多いかと思います。
でもホウ・レン・ソウぐらいは余程のペケでもない限り、誰にも出来るようになるものです。
ホウ・レン・ソウが出来るようになっても、その後にも問題はあります。
その失敗を人に話せるのか。
一度学校の同期で集まって飲んでいた時に話したのですが、失敗したら、叱られたら、一刻も早く人に話さなければ、落ち着かない気持ちになるということで、意見が一致しました。
自分の失敗を話すのは恥ずかしいことですが、話さずにそ知らぬ顔をしていることは、もっと恥ずかしいのです。
仕事での失敗は同僚に知られるのが普通ですし、皆が知っているのに涼しい顔は出来ません。とにかく早く話さなければ気が済まない。
そんな気持ちになるのです。
話すとどうなるか、慰められもするでしょうけど、多分笑われるでしょうし、「馬鹿な奴」ぐらい思われるでしょう。ただ話すことで二度と同じ失敗はできないという気持ちにもなります。それでなお同じ失敗をすれば「馬鹿な奴」が、「本当に馬鹿だった」になりますから。
失敗を話すというのは、恥ずかしいことかもしれませんが、二度と同じ失敗はしないという決意表明かもしれません。
今の若いスタッフは失敗を話すどころか、失敗そのものを恐れすぎです。わかりやすく言えば、恥をかくことを恐れています。
恥をかくことを恐れるあまり、本当に恥ずかしいこともわからなくなっているようです。
一度の失敗を話すことを恥じるくせに、何度も同じ失敗を繰り返すことは何とも思っていない。とても恥ずかしいことなんですけどね。
この「失敗したら」は最低後1回は続きます。
セラピストになりたい?
2012年1月27日(金)
京都大原記念病院に居るリハビリテーションの専門職は、
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3職種です。
3職種とも国家資格です。資格を取るには養成校に通う必要が有ります。
養成校を卒業すると国家試験の受験資格を得る事ができます。
養成校のカリキュラムの中には、講義だけでなく実技ももちろん含まれます。
そして、実際の現場で実習する事も含まれます。
当院でも、年にいくつかの養成校から実習を受けに学生が来ています。
せっかく来たのだから少しでも視野と見識を広げ、深めて帰ってもらいたいと思っています。
指導担当に選ばれたスタッフもその期間は、いつもの仕事に加えて、
毎日居残りして学生に指導したり、指導計画を立てたりしています。
スタッフも学生に実習の合格、不合格を言い渡す必要があり、不合格なら留年にもつながります。
だから、指導担当者は何とか実習期間中に合格ラインまで学生を到達させようと、何処の実習でも基本厳しいし、恐いです。
で、
養成校は、高卒で入学できます。
大学も専門学校もあります。夜間部がある学校もあります。寮がある学校もあります。
入試も学校によって色々です。理系ってわけでも、文系ってわけでもないです。
学費も学校によって色々です。私立に比べ公立はとても学費が安くなります。
ご興味があれば、最近はどの学校もポームページを作っていますし、
各療法士会でもホームペジがあり、学校のリンク等を貼っている事が多いので、
参考に探してみてはいかがでしょう。