京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

そんなこと

遠藤

体を動かすコツ?

2012年12月08日(土)

たとえば、よく使われる例が、
椅子に座っている方に、

 

部屋から移動しようと思って、
「歩いて下さい」といっても歩けないのに、
「あそこへ行きましょう」というと歩いて移動できたりします。

 

歩く練習中に、
「足を上げて下さい」といっても足が上がらないのに、
「これをまたいで下さい」というと足が上がったりします。

 

言葉や環境が作るマジック(専門用語では有りません。私がそう呼んでいるだけです。)です。
何気ないことですが、この要素を使う訓練は結構あります。
だって、この方々はふざけているのではなく、
本当にできなかったり、できたりが変わるのです。

 

同じ人なのに、違う人が関わると、できることが変わることがあります。
それは、
その人が優しいとか、怖そうとか、雰囲気が良いとか、仲が良いだけが理由ではありません。
その人に合ったコツを掴んだかどうかも要素にあがります。
そのためには、観察とか、その人を知ることが大事になるのです。

 

別に行動だけではありません。
肘を曲げ伸ばしするだけの運動訓練にもこのマジックは使われます。
1.肘の曲がる所に注意を向けて運動する
2.肘を動かす筋肉に注意を向けて運動する
3.肘ではなく手に持つ物に注意を向けて運動する
4.手を動かす範囲に注意を向けて運動する
5.会話に注意を向けて運動する

 

どれも人によってはマジックになります。
誰にでも同じことがマジックにはなりません。
他にもマジックはあります。

 

頭や体は、いろいろな影響を感じて、受けて、何気に動いています。
障害を受けると、影響が出すぎたり、感じなかったり、何気に動けなくなっています。
でも、どこかに時折つながる抜け道があったりします。

 

今日も誰かマジックにかかっているかもしれません。
最初はスタッフがいるときだけかかるマジックだったけれど、
いつの間にか、当たり前に自分でできるようになることを、
マジックを不思議と感じなくなることを目指しています。

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