動くことが重要です。
2013年4月26日(金)
本日、某大学医学部教授(整形外科医)に、当院にて講演していただきました。その話の中で、病気を発症し、その後早期から装具(立位をサポートする足に装着する器具)を装着することにより、日常生活の改善度が良いという結果が出たという話がありました。
これは当然の結果なんです。日々、患者さんと訓練をしていくと意欲的に活動的な方、意欲のないうつ的な方で非常に日常生活の改善に差が出ていることを実感しています。
これは何故かと言いますと、実験によって簡単に理解できます。
手に物が触れただけでは物を認知できないことを皆さんはご存知でしょうか?「そんなことは無い。分かるはずだ。」とおっしゃるかもしれませんが、目を閉じて手掌を開いて、物体(何でも結構)を軽く触れ(物体を強く押したり、転がしたりしない)させてみてください。そーすると「あれっ!!分からない。触れたのは分かるけど何が触れたのか全く分からん。」と感じると思います。
次に指を動かして物体を触ってみてください。「あっ!!分かった」とすぐに分かるはずです。
さらにもう一つの実験を紹介します。目を閉じて、棒を全く動かさずに棒を握ってみてください。「何も(棒の長さが)分からない。」と思うはずです。そして今度は好きなように棒を振ってみてください。その瞬間「あっ!!(棒の長さが)分かった。」と思うはずです。
普段、目で見ているから直ぐに物の形状、長さ、名称などは直ぐに分かるのです。しかし実は目だけでなく手などの関節が動くから目をつぶっていても分かるのです。夜、寝ているときにテレビや電気のリモコンを探すときに見てなく探しますよね。そうなんです。見なくても物が何であるかが分かるのは、触った感触だけでなく、手や腕などが動くから何であるか分かるのです。そして感知するのはどこでしょうか?脳なんですね。手指が動き、触って動かすことで脳の様々な部位が活動するのです。
「寝たきりで何が悪いんだ! 」と言う方もいると思います。でも悪すぎなんです。動かないと脳は全く活動しないのです。つまり動くことにより脳が働くのです。動くことで脳が活性化して脳の可塑性が働きだすのです。だからリハビリテーションにおいて意欲的に取り組む方は回復が早いのです。脳が活性化しているからなんです。
脳科学は面白いでしょ。分かれば分かるほど人間の行動の意味が分かり面白いですよ。新しい御所南リハビリテーションクリニックは、脳科学を活用したリハビリテーションも提供します。乞うご期待!!間もなく開院予定です。