京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

あんなこと

土井

箸の持ち方

2013年4月21日(日)

箸の持ち方。

子供のころから、厳しく言われた人も多いですよね。

それでは、

ちゃんと箸を使える人?・・・と聞かれると、

もちろんYES!と答えられる人は少数派かもしれませんね。

正しくは使えないけど、そんなに外れてもいない人も多いでしょうし、

バッテン箸や握り箸などのような、正しくない持ち方の人も多いでしょう。

では、

箸を使って食事ができる人?・・・と聞かれると、

殆どの日本人は、もちろんYES!、と答えますよね。

日本人では、病気等の影響さえなければ、箸を使って食事を食べている人が殆どで、

「箸がうまく使えない=食事が食べられない」ということにはなりません。

また、箸の持ち方程度で不自由を感じている人は少ないですし、

成人してから、箸の作法を治そうと努力する人は、そんなにいないのではないでしょうか?

 

リハビリの仕事をしている中では、

患者さんや専門職の会話でも、「手がちゃんと動かないから出来ない」というお話があります。

箸のお話に置き換えると

「箸がちゃんと操作できる」=「ちゃんと動かすことができる」ということと同じ。

しかしながら、

「箸を上手に使える人はさほど多くないのに、それほど食事に困っている人はいない」

ことを考えると、ちゃんと動かなくても、何とかできることは一杯あります。

そんな、そのなんとかする・・・ところが、リハビリテーションの大事な部分で、

治る・・・よりも、できるようになる・・・ことの方が重要な場合も少なくありません。

もし、箸で食べるよりも箸の作法が大事なら、かなりの人が食べられないでしょう。

このため、

家事や仕事、手芸・工芸など、実際の作業を取り組んでもらい、

目的の動作ができるように努力するリハビリテーションは大事な作業となります。

それは、訓練室で治療的に動かすことだけでは、不十分ということでもあります。

 

御所南リハビリテーションクリニックの外来では、

医師の指示により、しっかりとリハビリすることになった方には、

相当の宿題(自宅トレーニング)をしていただくことになります。

それは、家事だったり、作業だったり、手芸だったり・・・、ゲームかもしれません。

そういったことを、より上手に出来るように試行錯誤することが、

実際の動作や活動が出来るようになる一歩となります。

 

今まで、箸で食事をしながら、どれだけ色々なものを摘まん出来たか・・・

ぐらい使わないといけませんね。

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