京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

どんなこと

遠藤

リハビリって、わりと身近な話

2012年6月25日(月)

皆さんは針に糸を通せますか?

 

たとえば、
手芸が得意なご高齢の方と、手芸をしたことがない若い子が一緒に手芸をします。

 

ご高齢の女性が「最近目が悪くなってねえ。力も衰えて重いものも持てないのよ。」と言いながら、
針に糸をなにげに通します。

 

そこで、
若い子に糸と針を渡すと、
頑張りますが、なかなか出来なかったりします。

 

そんな時、
ご高齢の女性は、若い子に
糸の先を斜めに切ったり、糸の先を舐めたり、糸や針の持ち方を教えてあげたりしますよね。
若い子も頑張ってやってみます。それでも、とっても時間がかかります。

 

そしたら、
「そういえば、あれが有ったわね。私は使ってないけれど…。」
って糸通しを出してきます。
その糸通しを若い子に渡して使い方を説明します。

 

そんなこんなで、
若い子は針に糸を通すことをできるようになりました。

これは若い子がご高齢の方にリハビリを受けたのと同じですね。
振り返って、リハビリに置き換えてみましょう。

 

>そこで、
>若い子に糸と針を渡すと、
>頑張りますが、なかなか出来なかったりします。
 ↓↓↓
若い子にリハビリ意欲はあります。
針に糸を通せるようになるためのリハビリ開始です。

 

>そんな時、
>ご高齢の女性は、若い子に
>糸の先を斜めに切ったり、糸の先を舐めたり、糸や針の持ち方を教えてあげたりしますよね。
>若い子も頑張ってやってみます。それでも、とっても時間がかかります。
 ↓↓↓
若い子に動作指導や環境設定をして練習します。

 

>そしたら、
>「そういえば、あれが有ったわね。私は使ってないけれど…。」
>って糸通しを出してきます。
>その糸通しを若い子に渡して使い方を説明します。
 ↓↓↓
できないことはないですが…もう一工夫ってことで、自助具を選定して練習します。

 

>そんなこんなで、
>若い子は針に糸を通すことをできるようになりました。
 ↓↓↓
困らなくなりました。リハビリ完了ですね。

 

こっから先に、糸通しが無くてもできるようになりたいって思えば、
新たな目標に向けて、動作指導と練習のリハビリが始まります。

 

ところで、
若い子の身体能力はご高齢の方より高いのに、
困っているのは若い子でしたね。
これが、
リハビリにいろんな種類の方法がある理由の一つです。
また、今できないから、できる能力が無いとは決め付けられない理由でもあります。
身体能力があっても障害に関係なく、能力を発揮できるためには練習や工夫が必要なんです。

 

今できないことをできないって、決め付ける前に
練習と一工夫ですよ。

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