京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

へんなこと

橋本

今をどうするのか

2012年7月23日(月)

リハビリテーションは根気よさが大事です。一朝一夕で片がつく問題はそうありません。数ヶ月から数年単位での取り組みが必要な場合もあります。

 

確かにそうなんですが…

 

以前の事になりますが、介護支援専門員(ケアマネージャー)の講習会で受講生各々がケアプランを策定するというワークショップで、病院から在宅へ移行する段階で、居室(寝室)からトイレへの歩いての移動が困難な利用者のケアプランが、対策としての「訪問リハ」のみ考慮していた人がほとんどというのが衝撃でした。

確かに居室からトイレまでの移動が出来ないから、「訪問リハ」で何とかしようというのは理解できます。ですがその利用者のその日からのトイレをどうするのかという視点が、すっぽり抜け落ちているのはどういうわけだったんでしょうか。このケアプランには短時日にしろ長期間にしろ、今ではないいつか将来のゴールを想定していますが、出来るようになるまで排泄をしないってわけにはいかないんです。本来ならポータブルトイレを導入するとか、住宅改修をするとか、車椅子や歩行器を導入するとか、その日からトイレに困らないようにしなければ、それはケアプランではなく、ただのリハビリプランでしかないわけです。

話は変わりますが、私見ではリハビリテーションにおいて患者さんの「やる気」を阻害するのは「痛み」「体力低下」「認知症」の3つがかなり重要かなと思っています。

虫歯の痛みを想像してください。痛みがある間は何事にも集中できず、この痛みが取れるなら何をしてでもと思い余ってとんでもない事を考えた経験なかったですか?

体力なければ何事も持続できるわけもなく、勿論やる気も出ないのは自明ですよね。

認知症はリハビリテーションの必要性さえ、認知できない事がままあるので、必要性が理解できなければやる気も生じません。

 

とは言いながらセラピストに即効あるアプローチ法などそうそう持ちえません。痛み然り、体力低下然り、認知症然り。どれに対しても気長に根気強い取り組みが必要となります。

ただ「痛み」に対してだけは、持続的効果は期待できないまでも、一時的にでも即効で痛みを低下させてリハビリテーションに支障が出ないような方法も理学療法にはあるわけですが。

2012/5/30の恩師の言葉その1

でも書きましたが、理学療法士が「理学」や「physical」の意味を理解できていれば、一時的にでも患者さんの痛みを和らげて、リハビリに取り組めるようにも出来るはずなのですが、いかんせん「ナンチャッテPT」が多い現状では(と言うか患者さんの痛みに何も感じない人が増えてるんですかね)、患者さんの将来だけでなく「今」をどうするのかという視点がおろそかになりがちのようです。

 

次回私のブログは(通算50回になります)7/30です。

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