目の前
2020年1月31日(金)
ずいぶん間が空いてしまいました。
全スタッフに回覧する文書を書いていたら、推敲含めて三週間もかかってしまいました。
今は教育担当者に回覧する文書を書いていたんですが、漸く推敲段階まで来たので、ブログもちょっとは書ける余裕ができたところです。
時折私の映画好きを知ってか、何か面白い映画ないですかと聞かれるんですが、少なくともどんなジャンルかぐらい指定してくれないとお薦めのしようもないのですが、聞いてくるほうはそう聞けば、たちどころに映画のタイトルの二、三は上がってくると思っているらしいですが、「そんなわけあるかい‼」
人それぞれ好みもあるし、嫌いもあるわけですから、「お薦め」と聞かれて自分の好みだけで答えるわけにもいかない。
で少なくともどんなジャンルの映画が見たいのかということと、今まで見た映画で面白かったものを二、三聞いたうえで答えることにしています。
私が自分自身でも観ない、人にもお薦めしない映画っていうのがあってそれは何かというと「文科省推薦」というお墨付の映画。
文科省推薦なんて言うとどうしても「役に立つ」「勉強になる」という言葉が頭に浮ぶし、映画は趣味嗜好の問題であって、そういう邪で不純でふしだらな動機で観るのはもってのほかと考えています。
低級で低俗で下世話な映画であっても、要は楽しめればいいのですが、同時にそんな映画であっても役に立つべきこと勉強になることは必ずあって、それを読み取ることがとても大事なんではないかと思うんです(今は亡き映画評論家の荻昌弘さんはそういう視点からの映画解説・評論はいつも傾聴に値しました)。勿論そんなものがなくても楽しめればいいだけなのですが。
これこれの映画は役に立つんでいいよ、と言われてみる映画は確かに役に立つかもしれませんが、一方で自分自身で良いもの、役に立つものを見分ける能力は身に付きませんし、簡単に目にした「役に立つ」ことがそう簡単に身につくとも思えない。今はやりの言葉でいうリテラシーも身につかない。
そもそもそんな映画が面白いとは思えない。
時々スタッフに推薦の本はないかとか、どんな本を読めばいいかとか相談を受けることがあります。
この場合は映画とはちょっと違って「仕事に役立つ」という冠が質問には付くわけです。
以前は誰それの書いた本がいいよとか、こんな本を読んだらいいとか言っていたのですが、それやめました。
「役にたちそうな」本を「役に立つ」と思って読めば「役に立つ」んでしょうけど、そんなもの面白いわけがないし、身につかないのではと思うからです。そんなものは読後しばらくの間頭に残るだけ。
勉強も同じで面白いと思うから身につくのであって、役に立つだけの面白くないものは最終的には身につくはずがない(面白くないものとどう付き合うか、はまた別の機会に)。
だから最近は自分が読みたい本を好きなだけ読めばいい。
推理小説だろうが通俗雑誌だろうがエロ本だろうが読みたい本を読めばいい。
その中にも必ず「役に立つ」ことがある。それを読み取るほうが大事と言っています。
(この環境では)勉強できない、役に立たない、面白くないから別の場所に探しに行くって若いスタッフは言いながら、それが転職だったり、研修会参加だったり、大学院進学だったりするわけですが、そんなものいつだってどこにいたって目の前にあるんだと思うんですけどね。
それが見えない(わからない)のは、それを読み取るだけ、見つけるだけの能力がないから、自分の能力の至らなさを環境のせいにしているだけ(勿論私だっていついつでもそれが見つけられるわけではありません)。
皆さんはどう思いますか?
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ここから余談(映画の話)
つい最近ホラー映画「ペット・セメタリー」が公開されました。上映館が少ないので私はまだ見れていませんが、30年ほど前に公開されたスティーブン・キング原作の映画のリメイクになります。
細かい話はネタバレになりますが、当時からキングファンの私は原作も映画も堪能済みでしたが(残念ながら映画は原作ほど思い出すのも嫌なほどの後味の悪さや怖さはなかったです)、同じように映画を見た先輩(今の事務局長ですけど)が「あの映画は主人公が医者だということに意味がある」と指摘されて怖さだけではない物語の面白みが増したことを覚えています。
ご一読、ご鑑賞をお勧めします。