京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

こんなこと

橋本

無理な相談

2020年12月16日(水)

京都でも感染者数の増加が止まらないようです。

連日の報道は気を重くするに十分です。

 

京都に限らずあちこちでこうなったのも色々理由はあると思うんですが、私見としては気の緩みとエゴかなぁと。

 

家庭内感染が多いとは言われてますが、家族なんだから同居していれば三密になるのは当たり前。

 

問題はその家庭に誰がどのように持ち込んだのかが大事なわけなんですけど、家庭内感染が多い、多いと騒でいるだけということは、誰が持ち込んだかはわかってもその誰がどこから持ってきたのかは追えていないわけで。

 

先日副院長と話していたんですけど、それは「追えていない」のではなく「言えない」のもかなりあるのではないかとの結論にいたりましたw

 

それはそれで問題だなと思うのですが、今年採用した新人連中のことをちょっと考えてみました。

コロナ禍が騒がれるようになった3月末。全国各地から縁もゆかりもなかった京都へ就職のため移り住んできた。同じように同じ職場に就職してきた者は多かったけど、学校の同期も友人もいない。

 

独身寮には同じ境遇の者が何人もいるけど、三密を避けるために連れだって居酒屋で一杯どころか、誰かの部屋で缶ビールを空けることさえ出来ず、親睦どころではない。

 

仕事に行っても、感染予防のため仕事以外のことはなかなか話せないし、食事中でさえ会話もままならない。

 

一時的にでも実家へ逃げ帰ることが出来れば、家族と話すことで気晴らしなり何なり何とかなるかもしれないものがその帰省さえままならない。

 

想像するに独身者には相当辛い状況ではないかなと思えるわけです。

 

「接待を伴う飲食店」や「あんな事やこんな事をする店」などはそういう時の密かな逃げ場になっているんでしょうか。

まぁあまり若い人が行くようなイメージがないんですけど、身に覚えのある中高年諸氏は仮に感染しても、家族に感染しても行ったとは公言できないでしょうね。

 

こういう状況では中島みゆきの詩のタイトルじゃないですけど、単身者は「ひとり上手」でないとこのコロナ禍は乗り越えるのが難しいのかもしれません。

 

このセラピストという稼業は仕事のみならず、あらゆるシーンでコミュニケーション能力(というか社会性ですね)を培ってなんぼの話なのに、それが制限されるとなると彼らの成長が著しく遅れるわけです。

 

それでも彼らはまだましな方で、来年採用予定の学生に関しては今年は病院での実習さえままならない状況(病院で見学のみか、学校で臨床実習もどき)なので、更に成長は遅れるか、躓くか、躓いてそれっきりになるのか。

 

病院で実際に臨床実習をすることで医療人・社会人としての適性に欠ける者はある程度脱落するようになっていたわけですが、コロナ禍が治まるまでは学生は臨床実習のハードルを越さずに、この仕事が、社会がどんなところか覗き見ぬままに就職することになるわけです。

 

この様子だと向こう3年間はどこでも離職者が増えそうです。

 

ひとり上手でなおかつ社会性も豊かになんて、なかなか無理な相談に思えるのは私だけですか?

 

難儀なことです。

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