京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

そんなこと

遠藤

本当のことならいいの?

2012年5月23日(水)

患者さんと関わるとき、
嘘をついてはいけません。

 

では、本当のことならいいのでしょうか?

 

でも、私たちは出来ないことが有る人の訓練や指導をしています。
介護されている方も、出来ないことがある人の介護をしています。

 

その中では、
出来ていないことに対してコメントするので、
本当のことは、相手を傷つけることも多いです。

 

では、何を話すのか?
嘘ではないことを話します。
本当のことを伝わるニュアンスに気をつけてしゃべります。
だって、あなたが100点満点の算数テストで30点だったとします。

 

「あなたは頭が悪いから点数取れないんだよ!」 って言われたら嫌な気持ちになりませんか?

 (もちろん、これで発奮して、次は100点とろうって思うかもしれませんが…何をしていいのやらって思いませんか。)

 

でも、
「あなたは掛け算が苦手だから、掛け算で失敗しているね。」 って言われたら、冷静になれませんか?

 (もう一度、掛け算の何が出来ていないのか、教えてもらえば良いのかなって思いませんか。)

 

もしくは、
「いつも苦手な掛け算が、5問も出来てるじゃない。進歩だね。」 って言われたら少しうれしくないですか?
どれも本当のことです。

  (点数に落胆してても、あれ?少し良くなってるじゃん。って思ったら、次は、もっと頑張って、また褒めてもらおうって思いませんか。)

 

次、頑張ろうって思う気持ちになれる言葉、
何に失敗したのか気づける言葉、
そして、傷ついて嫌になる言葉がありますよね。

 

患者さんやご家族と向き合うときは、
私はこんなことに気をつけてしゃべっています…いや、…つもりです。

 

誰だって、

前向きに取り組むことでしか、リハビリも出来ませんから。

 

その気持ちをつぶさないように、引き出すように、
でも、現実と向き合って、挑めるように促したいな....。

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