京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

そんなこと

遠藤

実習で人の気持ちになりましたか?

2012年12月02日(日)

人の気持ちになるって?

 

よく、人の気持ちになって考えなさい!って言われませんか?

 

私も患者さんの生活を考えるときにその人の気持ちになって考えます。
ただ、必ずしもその人の気持ちになれるか?と言われると…ごめんなさい。
それでも、後輩や学生さんにはそのように指導したりします。
その指導を受けて、考えていますって見栄をきる人も居ますが、
そんな人が自分やったらこうするから、この人がそんなことしたのがおかしい。ってことを言い出します。

 

ようは、
自分ならこうするから、患者さんもこうするだろうって安易に考えていませんか?ってことです。
自分と患者さんは違う人間です。生きてきた経験も知識も癖も思考も違います。
だから、自分が患者さんの立場だったらこうするとか、ああするとかは、通用しません。
でも、それはそれで生活のアドバイスに使えるので大事ですが、患者さんはその動きをしません。

 

よって、その人になりきったら次の行動はどうするかを考える必要があります。
そして、その答えは、1つでは駄目です。
だって、本人ではないのですから、数多くの答えを見つけていかなければ生活とつながりません。

 

だから、患者さんの気持ちになって考えなさい!と言うのです。
気持ちというのは感情だけではなく、
その人の知識や経験、癖、思考全てひっくるめてどんな行動が紡ぎ出されるか?
考えて検討しなさいってことです。

 

たとえば、
口頭で、これは危ないから使ってはいけません。と指導したとして、
相手になりきって考えれば、
この患者さんは、危ないと言われても忘れてしまうから、
これを使うかもしれない。だから指導だけでは危険だと判断することができます。

 

でも、これを自分に置き換えて考える人は、
1.自分なら、危ないものは使わないからこれで大丈夫。
2.自分なら、危なくても危なくなくても、そもそもそれを使わない。
と考えるかもしれません。
そして、危険なのは、自分に置き換える人が、自分ならこうすると結論付いたところで思考が終わってしまうことです。
そのため、充分自分が指導したのだから、これで事故があってもそれは予測不能な事故で、
責任は自分にないと思うことです。

 

本当は、予測が立つこともあったかも知れないのに、考えたつもりになっていると事故が予防できません。

 

考えたつもりではなく、その人になりきれるぐらい、その人を知ることが重要です。
それが人の気持ちになるってことだと思います。

 

実習中に、その人の気持ちになることできましたか?
そんなゆとりも無かった人も大勢居るかもしれませんが…。
就職したら、絶対必要ですよ!

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