味を作る人、守る人
2016年3月10日(木)
ま、これは次の機会にします。
私事ですが私の父は寿司職人です(もう隠居の身ですが)。中学校卒業の前から鮮魚店に入り、17で寿司屋に弟子入り、25で独立開業だったそうです。
苦労したとは聞いていませんが、まぁ苦労したんだとは思います。
弟子入りしていた時の話も聞いてなくて、唯一聞いた話は
働いていた寿司屋ですが、ほとんどの仕事を目にして勉強できたらしいですが(基本手取り足取り教えてくれることはない)、どうしても目にする機会がなかったのは(と言うか見せて貰)、シャリ(寿司飯)の作り方だったそうです。
これだけは酢、砂糖、塩の分量から手順から一切を隠されていたそうです。大将の奥さんが職人、弟子の目のないところで仕込から出来上がりまで一人でやって店に持ち込んでいたそうです。
ですからとりあえず食えるようなシャリまでに1か月、同じ味にするまでに半年、ようやく開業して自分の店の味を完成させるまでに数年かかったと聞きました。
父がより良いと思ったもの、納得したもの、でも修業していた店とは違う味になったそうです。
こんな記事を見つけたんですけど
大勝軒“分裂抗争300日抗争”でクーデター派が勝利宣言!(1)「のれん会」vs「守る会」の対立一部始終 – エキサイトニュース(1_2)
大勝軒“分裂抗争300日抗争”でクーデター派が勝利宣言!(1)「のれん会」vs「守る会」の対立一部始終 – エキサイトニュース(2_2)
昨年この話はTVでも見ました。
きっとこのラーメンはおいしいんでしょうし、この味のファンもたくさんいるから、お弟子さんもこの味を守ろうとしているんだと思います。
それはそれで大事なんでしょうけど、より良い味を目指さずに、既にみんなが気に入っている味を守るだけなら料理人ではなくて、ただの職人です。教えてもらえばだれでもできるって話です。アレンジは教えて貰うものではありません。ま、守るだけですからアレンジも必要ありませんし、頭も使う必要ありません。
教えて貰ったものをただ守るだけだから、人が増えて対立が生まれるんじゃないですかね。
より美味しいものをと考える人はさっさと暖簾を返して、自分の味を探すんじゃないですか。
きっとより美味しモノを作る自信もないし、アレンジする頭もないので、暖簾に頼ると言う話になるんでしょう。
リハビリもおんなじ話です。一通りのことを教えることはできますが、患者さんに合せるアレンジが必要なんですけど、アレンジする頭がないセラピストが増えてるようです。
次回私のブログは3/17です。