京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

へんなこと

橋本

ちょっと複雑

2014年10月09日(木)

気候的にもすっかり秋という感じです。

 

読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋と並ぶところを考えれば、人間にとって心身ともに体調がピークになる季節と言えるのでしょう。

 

数年前にイギリスの研究で7、8月生まれの人間にはノーベル賞受賞者や、スポーツの金メダリストが多いとかなんとか言っているものがありましたが、それも逆算すれば出来たのは秋頃-言わば親の体調が万全の時に-ということらしいです。

 

先日「柿が赤くなれば、医者が蒼ざめる」という言葉を初めて聞きました。体調が良好であれば医者要らずということでしょう。

 

医者が蒼ざめるような世の中(言い換えれば病がない世の中)であって欲しいと願うのは、世の人々の偽らざる心情でしょう。何がしかの病や障害を抱えていて切実に感じている人も多いはずです。

 

私を含め、医療という仕事にかかわるとはどういうことか考えると、「人が不幸にならなければ(病気にならなければ)、出番がない仕事」とも言える訳です。

 

私の実家は飲食業でしたが、今は引退した父が時々「暇だなぁ、客が来ねぇかな」とひとりごちていたのを覚えていますが、商売では当然のことでも、やはり医療関係者がこれを公言するのは憚られます。

 

そも「医療というのは営利にあらず」とも言いますが、患者さんがいなければ失業は免れないわけです。

 

てなことを時々考えるわけですが、「医療という仕事ありき」で考えるからそうなるわけで、世の仕事という仕事は「問題」があるから発生したわけですから、「病という問題ありき」で考えれば、「人が不幸にならなければ(病気にならなければ)、出番がない仕事」という考え方自体が間違いなわけです。

 

とは言うものの何も医療は「人の不幸」に対処するだけでなく、予防という「人が不幸にならない」ことにも精力的に取り組んでいるわけでして、言わば予防医療は「失業のために努力している」とも言えるわけです。

 

誰かが病気はなくならないよと、暗に医療という仕事はなくならないと私に言いましたが、果たしてそうでしょうか。

昼休みに読んだ週刊誌には米国で会計士が大量に失業しているという話題が載っていました。非常に優れた会計ソフトのせいで会計士が必要なくなったということらしいです。同じ記事では2045年問題というのが紹介されていますが、所謂「AI:artificial intelligence 人工知能」が2045年には人間を上回ると予想されているところから、労働者としての人間不要の世界も考えられるようになってきています。

 

病が無くなるのは単純にうれしいですが、失業したらどうしましょうかね。

 

次回私のブログは10/15です。

 


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