躊躇う理由
2023年3月30日(木)
もう何年も前から現場の管理者から指示が入らない、話を聞いていないという若いスタッフの問題を聞いていました。その数も一人や二人ではありません。
私も何だろうなと疑問に感じつつ日々過ごしていたわけですが、わかったことの一つは小学校で話を聞かないように教育されている事実でした(詳細後日)。
ただそれだけで全部の説明がつかない。
話を聞いていないと言うが全員が聞いていないのか?
数年前に新人向けに講義した時に、講義の内容についてレポートの提出を指示したことがあります。
提出されたレポートを読んだところ、大多数は私が何喋ったか、きっちり書いてありました。理解しやすいように「例えば」と話したことも事細かに書いてきた者も少なからずいました。
意外なことに「聞いていない」と思われる者はほとんどいなかったんです。
ですが要旨を書いた者は半数もいませんでした。
要旨とは話を語る側、書く側にとって最も相手に伝えたい事柄ですし、語られる側、読む側にとっては当たり前ですが最も重要なポイントです。
要旨が書いてないということは、聞いてはいたけど理解はしていない可能性が高いということです。
それだけだとお前の話し方、書き方が悪いんだろうと言われても仕方ないので、数年前から採用試験にRST(Reeding Skill Test、基礎的読解力テスト)を導入しました。
大学、専門学校の学生に失礼かなとも思いましたが中学生レベルの問題を6問用意しました。
直近の受験者で全問正解者は2人/42人。
中学生レベルのRSTとはどんなものかと思われるでしょうが、例えば
「平成30年の犯罪動向を報告している令和元年の犯罪白書によると、刑法犯罪全体の約8割を占める窃盗は、前年に比べて大幅に減少したのに対して、両親などによる児童虐待の認知件数は過去最高を記録していた。児童虐待の増加には、核家族化、共働き両親、シングルマザーが増えたことによる影響が少なくないと言われている。」
を例文として、問題は
「平成30年に最も多かった刑法犯罪は何?」
これの誤答率は15人/42人。実に35%の者が間違っています。
6問全問正解者は2/42ですから、誤答率は95%以上です。
要するに高校以上の高等教育を受けた者のうち義務教育レベルの読書きがきちんと出来る者はほとんどいない、ということです。
この状況がある程度新卒セラピストに偏っているのか、同世代一般的な状況なのかはわかりません(推測は容易に出来ますが、物議をかもすので割愛)。
若い世代だけでなく、最近社会全般にリテラシー能力(知識、理解能力の意)の低下が感じられます。
そんな中でこちらが正しく情報を伝えようとしても、正しく伝わるか非常に心もとない。
という状況を踏まえると、前回ブログのような微妙な話題を取り上げるのは、「炎上」の危険を孕んだ「ヤバい」行いと言えます。
前々回のブログから前回のブログまでこれほど時日が空いたのは、そういう理由でできるだけわかりやすく誤解のないような文章を考えていたらこうなりました。
勿論リスクを考えれば、こういう問題には触れない(ブログに書かない)という選択肢もありですが、それだと何の解決にもなりません。
私のブログで解決とはなりませんが、問題提起は出来たかなと思っています。
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