京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

あんなこと

橋本

アゲイン

2013年2月21日(木)

楳図かずおさんと言う漫画家がいます。20年近く休筆していて、タレント活動か数年前の赤と白のカラーリングの自宅がマスコミに取り上げられたくらいでしか、知ってる若い人もいないかと思います。

そもそもは恐怖漫画を多く書いている人ですが、SFやギャグの分野でも結末が読めない面白く考えさせられる作品が結構あります。

 

その楳図さんが昭和40年代半ばに書いたギャグ漫画が「アゲイン」です。

話の筋はほとんど忘れてしまったのですが、家庭で疎まれている老人が若返りの薬を手に入れ、自由奔放に暴れまわると言うドタバタだったと思います。

今から思えば当時まだ顕在化していなかった老人問題をギャグ漫画としたのもすごいなと思います。

 

 

先月松の内を過ぎた頃に、かなり老眼が進んだので、眼鏡を新調しました。同じ日に嫁さんに髪を刈ってもらったんですが(いつも坊主頭です)、1ヵ月たった今確信しました。頭が薄くなっている…(4~5ヶ月前までは1ヵ月で地肌が見えなくなっていたんです)。2週間前からは右腕を上げるときに肩に痛みを感じるようになりました。多分五十肩(余談ですが、私はご婦人の患者には年齢が幾つであっても二十肩と言うようにしています)です。

 

一生懸命生きていれば後悔は無しと先達は仰います。もう一度やり直したいとも思わないと。

私も今までのところさして後悔はありませんし、やり直したいとも思いません。

でも体の衰えは…

 

「アゲイン」のあとがきに楳図さんが書いています。

『「駿馬も老いては駄馬に劣る※」、では駄馬が老いたらどうなるのか。悲しい例えではないか』

 

言い換えると駄馬であっても若けりゃいいってことでしょうか。

何も単純に足が速けりゃいいってことでも、若けりゃいいってことでもないことは承知しています。

 

「人生なんかやりなおさなくったっていい」と思えても、「(若さよ)もう一度」と多くの人が思うのではないでしょうか。

それは高齢の利用者と接してきて感じることです。

「ついこの間まではできたのに」

「(昔は)こんなことはなかった」

「(昔は)あれができた、これができた」

などなど思うに任せぬ体を嘆いたり、いらだったり。

不思議とあの時こうしていればや、ああすればよかった、こうすればよかったなんて話はほとんど聞きませんでした。

 

いろいろ小難しい事書きましたが、体の衰えはそれほど

作品1

 

ってことです。

 

 

 

次回私のブログは2/25です。

正しくは「騏驎も老いては駑馬に劣る」

 

 


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