京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

へんなこと

橋本

アンケート

2016年12月08日(木)

私は作家スティーブン・キングのファンですが、好きな小説の一つに「デッドゾーン」と言うのがあります。

サイコメトリー能力(まぁ千里眼ですね)を持った主人公が最後に世界を核戦争へ導こうとする大統領候補(キャラがね、誰かに似てるような気がするんですよね)を暗殺しようとする話なんですが、この話の中には何の解説もされていませんが、データに基づいた(解明はされていない)事実がいくつかあります。

 

①長期昏睡から覚醒した患者の中に幼少期に頭を強く打った経験のある者がかなりの割合でいる。

②銃を乱射して多数の死傷者を出した犯人は幼少期に頭を強く打った経験のある者がかなりの割合でいる。

③銃を乱射して多数の死傷者を出した犯人はかなりの割合で脳腫瘍がある。

 

小説にはありませんでしたが、後年科学雑誌で以上3つの事実があると言うことを知ったので、出典も細かい数字も覚えてなくて申し訳ないのですが、そもそもあの話はそういうことだったのかと納得した記憶があります。

 

さてこんな話があります(webpdf)。

 

前記3項の話を考えると全く笑えなくなりますが。

 

最近毎年のごとく銃の乱射事件が起きるアメリカでも犯人で美大生がいたと言う話は聞きません。

 

いずれにしても数字的にはそうだとしても、本当にそうかどうかはサンプル数が少ないと思います(長期昏睡からの覚醒患者にしても、乱射魔にしてもそうそういられたら困りますが)。

 

幼少期に頭を強く打つことなんてよくあることなんじゃないかなと思うんですが(私も階段から転げ落ちたことが記憶にあるだけで3回ほどあります)、一般大学生と美大生でのアンケート結果と言うことは、統計学的にも優位に差が出ていたんでしょうから、さらにサンプルを取っていくと科学的には理由はわからないけど「本当」と言うことになるんでしょうか。

 

私としては話自体も面白いのですが、アンケートの内容も気になるところです。

アンケートと言うのはある集団の中で共通項は何か、或いは非共通項は何かを探る手法の一つですが、質問項目によっては何もわからないし、ある程度見当をつけた質問にしても検討をどうつけるのかが重要です。

 

今回のアンケートには幼少期に強く頭を打ったかどうか。質問したわけなんでしょうけど、何故それを聞こうとしたのか、一般大学生と美大生と言う集団でそれを行ったと言うことは一部の心理学者の間では、なんとなく「美大生の中には頭を強く打っている学生が多いような気がする」と感じている人がいたはずですし、どうしてそう感じたのか、どういうエピソードがあったのかって物凄く気になりませんか?

 

明日はリハビリテーション部の忘年会です。

 

次回私のブログは12/15です。

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