京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

へんなこと

土井

器用になるには

2012年11月10日(土)

今年度は、病院の前や駐車場など、病院周りの工事も多くあり、

患者さんや利用者さんにご迷惑をかけております。ご協力ありがとうございます。

さて、そんな工事をみて、ふと思い出すことがあります。

 

今回の話題は、学生時代のアルバイトのお話に遡ります。

以前、この場で話題に上げましたが、土木関係などのアルバイトをしていました。

結構ちゃんと真剣にやっていたので、

ユンボ(パワーショベル)ぐらいは動かせるようになりました。(要免許)

(たしか、ジャニーズのTOKIOのリーダーが免許持ってましたね。)

そのパワーショベルですが、

構造的には手に近い動きをするようにできています。

「手首を曲げ伸ばす」

「肘を曲げ伸ばす」

「肩を上げ下げする(+水平にも振れるタイプもありますね)」

「体を回旋させて向きを変える」

これをレバーで一つずつ操作できるように作られています。

基本は油圧で単一方向に動かすような単純構造なのですが、

未熟な人が、これを単純に順番に動かしても、ほとんど土砂をすくえませんし、

力加減もなく、闇雲に曲げたり伸ばしたりするだけ。

でも、

上手な人は、全ての関節?を同時に器用に動かして、(当然レバーですが)

力加減ができるよう調整して操作されていて、たくさんの土砂をいとも簡単にすくいます。

ほんと上手な人は、ボディの重さを上手く使っていたりもしておられます。

私は不器用なので、ある程度、仕事で使えるようになるまで、かなり大変な思いをしました。

 

以前、かなり軽い部類の脳梗塞を経験した話を時々書いていますが、

軽い麻痺の手を、元の器用な手として使えるようトレーニングしていたとき、

このユンボの操作を練習しているときと同じような感覚をいつも感じていました。

脳が人間の体に指示を出して、手が器用に動く・・・

作業員がレバーを操作して、ユンボが器用に動く・・・

脳と体の関係は、わかりやすく言うと、作業員とユンボの関係に近いかもしれません。

筋力や角度などは、機械で言えば基本性能でしかなく、

筋出力を調整したり、器用に動かすには、操作を鍛えなければならないようです。

ユンボを操作しなくなって10年を遥かに超え、もう操作は忘れてしまいましたが、

ユンボの操作が上手くなってくるにつれ、

機械の爪の部分と自分の指先の感覚が重なってきたことを強く覚えています。

車の運転で、車両感覚と肩や足が重なってくる感じと同じような・・・そんな感覚です。

 

トレーニング次第で血の通わない機械まで自分のように感じられるなんて・・・

人間の脳ってすごいですね。

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