利用者が考えていない事(あるいは教えたら出来る仕事なのか、もしくは無思慮、無責任な話その2)
2012年4月17日(火)
昔々といっても13,4年前の話ですが、訪問リハビリテーションスタッフの増員をしなければならなくなりました。
と言って病院も人手不足で新たに外部から雇用しなくてはなりません。
言うは易しで、病院でさえ雇用に苦労しているのに、将来性ある事業でも当時採算さえあやしかった訪問リハビリテーションに簡単に応募があるはずもなく…。
と言う事で今から思えばあまり意味のない事でしたが(ワラにすがったんです)、新聞の折り込み広告に求人を出しました。
「非常勤訪問リハビリテーションスタッフ募集、有資格者(理学療法士、作業療法士)、日当¥8000保障、常勤スタッフも募集」と言う感じで。
結果広告翌日の月曜日は問い合わせの電話殺到でした。曰く「資格は必要ないのか」(だから最初から有資格者と断ってるって)、曰く「資格ってそちらで教えてもらえば取れるのか」(学校行かなきゃ無理だって)、「えっ、資格いるの?どこにそんな事書いてある!」(ちゃんと読めよ)、「学校に3年も行かなきゃ行けないの?3日ぐらいの講習で何とかならないの(このリアクションが一番多かった)」。電話のすべてがそんな感じでした(カッコ内赤字は私の心中を表現したのであって実際にそのような応対はしていません)。
この件でわかったのは、少なくともリハビリと言うのはその程度の人間がしていると言う認識を一部の人たちは持っているという事でした。
私たちから見ればそんな寂しい認識しか持ってもらえていない人たちも、いざ自分がリハビリテーションサービスを必要とする立場になれば、「ちゃんと学校に通って、国家試験にパスし、尚且つ経験豊かなセラピストのサービス」を希望するでしょう。でも提供する側なら自分がもらえるお金が大事であって、別に学校なんか行かなくったって、資格なんかなかったって、教えて貰えて出来ればいいんじゃないのということでしょう。ここに一部の人たちの無思慮や無責任な考え方が見えています。
次回も違う側面から、無思慮や無責任の話をしてみようと思います。