京都大原記念病院グループリハビリスタッフのあんなことこんなこと

へんなこと

土井

ちゃんと確認していますか?

2012年9月11日(火)

最近は、キーレスエントリーやスマートキーがついた車が多くなりました。

そんな車で夫婦ともに運転するという知人から、こんなことを耳にしました。

知人が妻に駅まで車で送ってもらった日、

送ってもらう知人は自分の鞄に車の電子キーを入れていて、

送っていく妻は、自分の鞄に電子キーを入れっぱなしだからと、

(実は電子キーを忘れて)出発しようとしたところ、

車にエンジンは普通にかかり、

キーが無いことに気づかず運転できてしまったそうです。

しかも、夫をおろした後に電子キーがなくなっているのに気付かず、

自宅でエンジンを切るまでは走れたそうです。

たしかに、

いつも同じ鞄を持ち歩いている人なんかだと、

「たしか鞄に入っているから・・・・ドアが開いて、エンジンかかったから大丈夫」

って、電子キーを持っているかどうかすら確認しないのかもしれません。

キーが無いと困る・・・って意識が減り、探さない気持ちも分かります。

さて、

便利で、自動で、手ぶらで、は素晴らしいと思いますが、

作業そのものが無くなり、確認作業が廃れると、

「大丈夫」をしっかり判断しているとは言えないのではないでしょうか?

実際のところ、

体を動かしたり、耳や目の確認作業がないと、

人間の「注意する力」「気づく力」「勘」が働かなくなります。

 

先ほどの車の話も

そもそも

->車のキーを持たない人は、車に乗り運転できないように出来ている

でも

->キーを操作してドアを開けるのは、荷物があるとやりにくいから、電子キーになった

->いろんなメリットがあって、ボタンでエンジンかけるようになった

それに

->電子キーがないとドアは開かないし、エンジンもかからないはず

・・・・

電子キーが無いと全てが出来ない訳ですから、

ドアが開いたり、エンジンがかかるので、キーがあると認識したつもりだけど、

本当は、私ではない周りの誰かが持っているだけで、運転できてしまった・・・

という、

簡単にしたり、便利にする機能によって、人間の判断力が落ちているお話。

 

他の場合でも、

書類や物がちゃんとあるかどうか、

やることをきっちり済ませたかどうか、

自分のやっていることがルールや一般社会に合っているかどうか、

そんなことも、

自分の範囲でちゃんとやったり、確認しているつもりでも、

本来のあるべき書類や物、作業を知っていて、

それを今、形骸化・簡素化・効率化されていることを知っていなければ、

確認をしているとはいえないのです。

 

体をうまく動かせるようにリハビリをするときにも、

脳が再構築されて、身につけるには、

目や耳、その他感覚を使って、体の状況を感じて確認をしながら、

正しい動きを覚える事が大切です。

(するとしないとでは、かなり効果に違いがあります)

 

工事現場や電車で目にする「指差し確認」は、なにより効果的ということですね。


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