アキレスと亀の理論
2013年11月04日(月)
アキレスと亀の理論というのがあります。
(いろんな呼び方がありますが、一応検索に引っかかるから名称は正しいかな?私も数学とか哲学とか苦手な方なので、細かいことは検索の結果に譲ります。)
もとはたしか、ピタゴラス派の「時間と空間は無限に分割できる」とする理論に対して、
その理論では起こりえないことが正しくなるとして、提示されたパラドックスと言われています。
このパラドックス、簡単?にご紹介すると・・・、
先行して進んでいるカメをアキレス(人)が追いかけて抜こうとします。
現実は、カメよりも人の方が早く歩けるため、そのうちに追い抜くことができます。
しかしながら、時間と空間が無限に分割できるとすれば、いつまでも追いぬけないというお話。
要は、アキレスが進んだら、カメも少し進む。
差は縮まるかもしれないけれど、アキレスが進めばカメもちょっとは進む。
だから、無限に分割された時間、無限に分割された距離があるとすると、
ちょっと時間・ちょっとの差として分割できるので、いつまでも追いぬけないということだそうです。
だから、時間も空間も無限には分割はできない・・・・ということです。
理論・概念上は、100m->100,000mm->100,000,000μm、1秒->1/1000秒・・・と分けれますし、
決まった時間にカメが積み上げる距離と人が積み上げる距離も明確ですので、
間違ったパラドックスの提示なのですが、どちらにも理があるように思う、まことしやかなお話です。
さて、このお話は、算数や数学などでありがちな基本設定ですが、
食事・トイレなどの生理現象、体力・疲労・根性・休憩・睡眠・老化・寿命などなど考慮されていません。
無限・有限という概念上のお話で、ずーっと同じ動作を続けるという非現実的な設定となっています。
でも、実際の世の中では、疲れてくれば遅くなるし、動いた分だけエネルギーは消費するし、
休憩が多いと時間はロスするし、成長や老化などで条件も変わるし、そもそも寿命や健康寿命がある。
そんな簡単に片付けられないような設定です。
でも、普通に生活していて、
「年上・先輩だから能力がいつまでも上」「前できたことなんだから、今でもできる」
なんて思いを感じることも少なからずあるでしょうし、
「やればやるだけ上に上がれるんだ。なんとかなるんだ。」なんて思いも普通に感じることでしょう。
こんな感じで、胡坐をかいてたり、錯覚していたり、なんてことによる矛盾は、生活の中にこそあるのかもしれませんね。
しかし、こういう類のお話や故事・諺にいっぱい登場する「カメ」。 実はすごい存在なのかもしれません。