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土井

多機能はすばらしい?

2012年8月03日(金)

最近は、汎用的な物がもてはやされる時代になりました。

技術の進歩がある程度頭打ちになり、

商品の良いところを足し算するという形で発達しているのでしょうか。

(多機能が売りの商品が多いところを考えると、現代の日本人好みなのか?)

それこそ

一石二鳥どころか、三鳥四鳥を謳う商品も珍しくなくなりました。

それもそれなりに実用に耐えるものが殆どなところがビックリです。

20年くらい前には、実用に耐える物は十得ナイフぐらいしか無かったように思いますし、

(何でも出来ると謳っても、いかがわしい物はあったような気がしますが・・・・)

ちょっと鞄や車に・・・という備えとしても便利な時代になりました。

 

そんな何でも出来る商品(汎用品)が百花繚乱している世の中ですが、

専用品と同等以上の性能を発揮する商品というとかなり少ないのではないでしょうか?

多機能の代表格、流行のスマートフォンや近年のガラパゴス携帯電話を考えても、

いつのころからか、

電話という当たり前で古くからある機能が使いにくくなっている気がします。

 

さて、

装具はもちろん、車いすや福祉用具を選ぶ際には、

専用品やその人専用に合わせられる商品をおすすめすることがほとんどです。

その多くは、

汎用品の量販価格と比べて高価になることや、

汎用品よりもゴツくなることや、

汎用品と違って一つの商品で多くを解決できないことも少なくありません。

しかしながら、

病気やけがなどで障がいがある場合には、

失われた体の機能を補う、今ある能力を十二分に発揮する・・・ということが大事であり、

確実に作業ができて、効果があり、安全で、なによりその人がやりやすいことが重要なのです。

そもそも

汎用品は何でも出来たり、誰にでもそれなりに合うように作られている分、

自分の能力で標準仕様に合わせることが必要になりますが、

自立支援や介護負担の軽減のためには、汎用品や多機能では役不足なことも少なくありません。

もちろん、専用品は目的や対象が限られています。

 

便利な世の中ですので、車いすや福祉用具でも、何でもある時代ですが、

汎用・専用・便利・多機能・・・・など言葉に惑わされず、

自分に一番あった物をえらんでいただきたいと思います。

 

弘法筆を選ばず・・・と言いますが、

そもそも弘法レベルの人は違いがわかる人・・・普段から状況にあったものを選ばれているそうです。

どんな物でも使えるのは、なんとか出来るだけの高い能力あればこそということですね。


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