印象に残る言葉② -手を鍛える-
2012年7月12日(木)
私が就職した頃、
当院のリハビリにあった(流行っていた?)特別な技術といえば、
車いすや福祉用具・自助具、住宅改修関係などでした。
そのとき、先輩がいろいろ厳しく教えてくれたことも、
生活とその環境整備についてがほとんどで、
学生の頃、実習での指導で納得できなかったモヤモヤした部分を教わりました。
また、介護保険が始まる前でもあり、時間の流れも緩やかで、制度も使いやすく、
いろいろな物をオーダーメイドし、その人にあわせるという、
今ではなかなか積みにくい貴重な経験はできました。
その1年後、そういったことだけに熱心だった先輩達が大量に退職したのですが、
入れ替わるように復帰してきた先輩が一人いました。
風体、眼力、パワー、そして話術など、恐ろしい印象の人でしたが、
もっとびっくりしたのは、その技術でした。
今から考えても雲の上の技術だと確信していますが、
新人そこそこの私にとって、
理屈や意味が分からない不思議な世界に映ったことを今も覚えています。
私が、理学療法士として働きだしてから2〜3年は、
1〜2日の予定で開催される研修会に月2回は参加しているような状況でしたので、
いろいろな手技の研修でいろいろな技術を見て感動する機会も多くあったのですが、
その先輩の不思議な技術には、何ともいえない驚きがありました。
(そして、体育会系+アルファのとっても濃厚な指導を受けることに・・・)
その先輩から指導を受ける内容は、
生理学や解剖学の書籍、〇〇法などなどの書籍を調べればわかることも多く、
前に行った研修で指導されたことと、さほど変わらないものだったのですが、
どんなに練習しても、全然違う。
対象者を支えるだけでも、そもそも力を入れずに軽く持って、しかも安定している・・・
なのに、私は同じようにはできない。
(なんか、吸い付いているんですよね・・・先輩の手は)
そんなことを繰り返している私に、その先輩は、
「手を鍛えなさい」、と。
(「手を鍛える?」・・・・って、めっちゃ練習しているけど・・・)
その後、何度も指導され、気づくことになったその真意は、
普段から、仕事以外でも手を動かしなさい、
いろんな持ち方をしたり、動かしたり、支えたりしなさい、
そして、触った感じや位置を覚えなさい、
ということでした。
それからというもの、
缶コーヒーを買ったら自然と手元で回したり、
意味もなく指を動かしてみたり、何やら触ってみたり・・・
そのうちに、確かにどんどん触りやすくなる・・・。
そして、そんな無意識の変な癖がついてしまったのでした。 (´_`。)
そのうち続編あるかも。
当たり前!?
2012年7月11日(水)
梅雨の中休みで、昨日はホントに暑かったです。
山に囲まれた大原の夏は青々とした緑いっぱい。
また、車の往来やアスファルトからの照り返しも少ないため、気温は街中よりも3~4度低く、まだマシだったようです。
ホームページや部ログでもご紹介させて頂いていますが、当院は回復期リハビリテーション病棟(回リハ)を中心としたリハビリ専門病院です。
回リハは集中的なリハビリを行い、ご自宅へ安心して帰っていただくことを目的としたところです。
だから、スタッフ全員、患者様と一緒に日々頑張っているのですが、重症の患者様やいろいろな事情でご自宅へ帰ることのできない患者様も少なからずいらっしゃり、その患者様のほとんどが療養型の病院や介護施設へ転院されます。
重症の患者様の中には褥瘡(床ずれ)予防のエアマットが必要であったり、ブレスコール(呼気で反応するナースコール)が必要な方も多くいらっしゃいます。
しかし、、、
最近、これらの機器を導入されていない病院があることを聞きました・・・
私自身、京都大原記念病院での経験しかなく、他院の実情は全く分かりませんが、
10数年前から当院では当たり前のように使用されているこれらの機器が導入されていないことにとても驚いています。
ケガや病気よって障害はことなり、使ってればOK!ではありませんし、使っていることにスタッフが甘んじていてはいけません。
でも、使用することのメリットもあります。
例えば、エアマットは寝返りができない、栄養状態が良くない、拘縮(関節が硬くなる)があり同じ姿勢にしかなれない等の患者様の褥瘡予防することができますし(これだけで完全な予防にはなりません。誤解のないように!)、息を吹きかけることでコールを鳴らすことのできるブレスコールは、体を全く動かせない患者様にとって命綱になりうる重要なものです。
これらを同列に並べるのはおかしいかも知れませんが、
ブレスコールやエアマットが導入されることで、入院患者様の療養環境は改善され、これらを必要とする患者様の転院先が広がります。
京都大原記念病院では、
患者様にとってこのような不利益がないように取り組んでいきたいですね。
自由にさせてもらえる職場って?
2012年7月10日(火)
職場で自由にさせてもらえる?
好き勝手は、他人が居る限りどこでもできません。
自由があるかどうかは結局本人の考え方次第ですね。
私は自由にさせてもらってきました。
好き勝手な考えから、企画提案することは自由でしたし、
それら企画提案のほんの一部は、何人かから賛同を得て実行することもできました。
上手くいけば、自分の提案を実行できるっていうのが自由だと思っています。
でも、
企画提案しない人は文句を言うだけの人に成り下がってしまいます。
代案が無ければただの文句言いです。
代案があっても、
実行できることでない限り意味のない話です。
実行できる方法や手段、可能性を見つけないと、夢想家です。
恩師の言葉 その2
2012年7月09日(月)
高校時代にお世話になった先生の書道の作品で「黙如雷」というのがありました。
「沈黙は迅雷の如し」とでも言えばいいのでしょうか。黙っているから心のうちも静かとは限らない、逆に激しい感情の表れと見る人情の機微に触れた言葉の一つではないでしょうか。
最近文章の行間を読むどころか、マンガが読めない人が増えてきているそうです。コマとコマの間を頭の中で埋める事が出来ずにマンガさえ「難解」になっているということらしいです。
「行間を読む」や「コマ間を読む」ことが出来なければ、何事も額面どおり受け取ることになります。「黙如雷」などと考える人は少なくなってきて、さしずめ「騒如雷」か「黙如無」だとか、まぁそのまんまに受け取る単純な人が増えてくるんでしょうね。
そういう時代にあって「人情の機微に触れる」などというのは、絶滅危惧「概念」かもしれません。
言わなければわからない事もあります。一方で言わなくとも察してよと言うこともあります。どちらか一方で済ませられるものではないですし、成り立つものでもありません(私なんかには女心なんざ言って貰わにゃわかりませんし、死ぬまで察する事は出来ませんけどね)。
次回私のブログは7/13です。
やりたくないこと
2012年7月08日(日)
昨日は息子の野球チームのグランド当番。
一昨日まで降っていた雨も小雨が降ったり止んだりの一日でした。
グランドは前日の雨で使用できないため、屋内での基礎練習とグランドの草引きを子ども達と一緒にしました。
草引きをしながら回りを見ると、黙々と一生懸命やっている子もいれば、遊んでばっかりでやらない子、やっているフリをして座っている子・・・
一緒に草引きをしている保護者はわが子もよその子も同様に注意しますが、やらない子は目の前で注意しても手を動かそうともしません。
そんな子もコーチから怒鳴られると、その時は手が動きますがすぐに止まってしまう・・・
黙ってられない私は注意してもやらない子に話しかけます。
「今日は野球できなくて残念やね・・・」
「試合したかったです。」
(土曜日は公式戦の予定でしたが雨で順延)
「どうして草引きするんかな?」
「・・・・・」
「草が生えてたら引っかかって転んだり、ボール捜すの大変やんな。」
「・・・・・」
「自分たちが使ってるグランドやし、みんなで手入れしていかなあかんよね・・・今日は根っこから抜けやすいし、もう少し頑張ろうよ。」
「・・・・・」
この間、無言でこの子の手は全く動きません。
「何故この作業をしているのか?」
この子はちゃんと分かっていると思います。
では、何故しないのでしょうか?
野球がしたいのにできないから?
面倒くさいから?
しんどいし、手が汚れるから?
自分のやりたいことではない(やりたくない)から?
これは子どもだから仕方がないことでしょうか・・・
嫌なことでもやらなければいけないことはやる。
たとえ相手が子どもであっても、教えていかなければならないし、
子どもだからこそ教えなければならないことだと思います。
余談になりますが
北京オリンピックで金メダルを取った女子ソフトボールのエース上野由岐子投手は練習前後の雑用を率先してされるそうです。グランドの整備をしたり、みんなで使う道具の手入れをしたり・・・
普通のチームだったら、新人さんやレギュラー以外の選手がしている仕事です。
これが上野由岐子投手が強さの秘訣かもしれません。
子ども達にも見習って欲しいものです。
ところで、、、
うちにも「これはやりたいけど、それは・・・」とあからさまに口にするスタッフがいます。
何でも「はい、はい。」と引き受けろとは言いませんが、
仕事を依頼するにはそのスタッフに期待してお願いしていることもたくさんあります。
それこそみんなが好きなことだけして業務が滞りなく進むのなら言うことありません。
でも、仕事ってそんなものじゃありませんよね・・・
自分の得意なことではなかったり、とても大変なことだったり・・・みんながやりたくない仕事もあります。
でも、それも含めて仕事です。
お給料は支払われています。
それに、その仕事に取り組むことで、今まで見えなかったことが見えてくることもあります。
選り好みせずいろんなことにチャレンジして欲しいです!
相手に伝わることって?
2012年7月07日(土)
先日、妻が長男坊の宿題をみていて、ちょっとしたことがありました。
妻「言葉の使い方が間違ってるよ」
子「どこ?」
妻「”ぜんぜん” という言葉のあとには ”〜ない” という使い方をしないとね」
子「そんなことないよ。全然あるとかみんな言うし・・・。」
妻「・・・」
私「日本語をちゃんと勉強していない人もいると思うけど、それは間違っているよ」
子「大人や先生だって、使ってるよ・・・」
私「普段使っている言葉は、面白おかしくそうやって使うことがあるけど、
ちゃんとした日本語では、間違っているよ」
子「?? う〜ん」
私「・・・・・・今はまあいいわ、そう思うんならそうしとき」
「父ちゃんや母ちゃんはそういう風に使わないから」
(一語一句同じではありませんが、こんな会話でした)
全然・・・・という言葉ですが、
手元の辞書では、[まったく、まるで]であり、
決して、良い印象をさらに強調する言葉ではありません。
全然大丈夫、全然いける、全然おいしい、全然かっこいい・・・
どれも「とても」という言葉以下でしかないと思うし、
ちゃんと使う人にとっては、悪い方しか指さないのですが、
新語を使う人や世代には、とってもいいこととして扱われるようです。
さて、最近身の回りにおこる様々なトラブルを考えてみると、
「言った言わない」にすらならないくらい、言った方がわからないことがあります。
一昔前に比べて、若い世代は本当にいい子・いい人が増えたと思うのですが、
そんないい人の褒め言葉ひとつでも、日本語の意味が変わっていることで
嫌みやマイナスイメージを与えてしまっているということなのかもしれません。
自分が言った言葉のニュアンスが、正しく伝わらないという悲しいことが
そこら中で起こっているのでしょうか?
変化し続ける言語には勢いがある・・・とも言いますが、
いくら日本語が柔軟といっても、
先生が使っちゃうと・・・・どうなんでしょう。
検証
2012年7月06日(金)
疑問難問コーナーならぬQ&Aについてスタッフと有意義な時間を共有致しました。
事前にQ&Aを受付し、
後日、私のつたない経験を踏まえて話し合いました。
目新しい事など何一つ話す事無く、
なぜその様な考えに行きついたのか?を述べるに留める様、努めました。
いわゆる『統合と解釈』が答えならば、それに行き着いた訳や理由をお話しました。
『この問題に対して私はこの様な解き方をしました』を説明する形でしょうか。
ちまたでお見掛けする方法とは思います、
問題⇒答えを考える⇒解答をする⇒なぜ?その解答に至ったのか?説明する。
ここまでは、『あ、そう』で終わるかもしれませんので。
そのため、少し違い(手法)を考えてみました。
なぜ、その問題は作られたのか?
推理小説ならぬ探究心。
問題を作成したのはQ&Aコーナーに参加された方であり、逆に聞かれるとは思っても見なかった事でしょう。
問題の作成した理由は、困っているからこそ であるとは思います。
しかし、『困っている』は具体性が低く、
『何に困っているの』
『どんな時に困っているの』
『どうして困っているの』
行き着くところ『本当に困っているの』
を探っていくと、『やっぱり困っているんだ』となり
少しは記憶に残るようです。
逆もすることで、問題を出された方は、一通りの繋がりができた様子。
しかし、実際はどうなるのか?
今はわかりません。
更に検証を進めて行きたいです。
七夕
2012年7月05日(木)
昨日は当グループの創立記念日。
グループ内のたくさんのスタッフが集まり、記念式典が行われました。
久しぶりに会うスタッフも多く、とても楽しいひと時でした。
ところで今週末は七夕です。
みなさん、七夕飾りはされましたか?
毎年この時期になると、当院の作業療法室でも笹が飾られます。
数年前までは大振りの笹を調達し賑やかに飾り付けていましたが、このところ笹の調達も難しくなり小振りになりました。
この七夕飾りはもちろん作業活動の一環として作られたもので、患者様と作業療法士さんの合作です。
(分かりにくい写真でごめんなさい!!)
吹流しや灯篭、紙風船など。。。
一つ一つの作品に患者様の努力が感じられ、
一生懸命作られた笹飾りはとても味わい深いものになっています。
患者様のいろいろな思いが書かれている短冊。
この短冊に書かれた患者様の願い事が叶うよう・・・
サポートしていきます!
7月4日です。(あるいは 続けると言うこと)
2012年7月04日(水)
アメリカ合衆国ではとても大事な祝日:Independence Day(独立記念日)です。建国1776年ですから236年になります。私とそっくりな俳優トム・クルーズの映画に「7月4日に生まれて」っていうのもありました。
実は7月4日は京都大原記念病院の創立記念日でもあります。アメリカとは比ぶべくもないですが、31年になります。
この31年という数字、皆さんはどうお考えになりますか。
私は高校を卒業して専門学校に進学する時から実家を出て30年になります。以来実家へは年に数回帰る程度です。時折見る郷里の町並みは、商売の難しさ、事業の難しさを教えてくれます。
慣れ親しんだ店や会社がなくなったり、新たにコンビニやおしゃれなカヘ(カフェ?)が出来たり、それも次に帰郷した折にはなくなっていたり。
10年なんか言うに及ばず、数年どころか1年にも満たない期間で店をたたむ例が、市中でどれほど多い事か!!。毎日見慣れている町並みだとそういうことにも気がつきにくいんでしょうけど、たまに見る風景だから印象にも残りやすいのでしょう。
いずれにしろ「続ける」というのはすごく難しいなと、帰省のたびに実感しています。
そんな中で京都大原記念病院も31年ですから、凄いと言えば凄いですよね。でも今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫と言えないのが、事業の世界。
職員一人ひとりが自分に何が出来るのか考えていないと、親方一人に任せておけば大丈夫なんて会社や組織はもうどこにもないですしね。
次回私のブログは7/9です。
おでかけしませんか?
2012年7月03日(火)
2012年も半分が過ぎ、もう7月。
7月の京都観光といえば、「祇園祭」ですね。
この祇園祭ですが、
皆さんがイメージされるのは
宵山や山鉾巡行ではないでしょうか?
梅雨明け頃、宵山に浴衣姿で行って・・・
でも、
ほんとうはそれだけではないのです。
7月1日の「吉符入り」から始まって、7月31日の「夏越祓」まで1ヶ月間の神事で、
疫病退散に由来する京都八坂神社のお祭りです。
私が京都にきた頃は、7月に入ると、いろいろと見に行っていました。
最近は、子供が小さいので、夕食後に家族と少しだけ宵山散策するぐらいかな・・・
でも、蟷螂山(カマキリのからくり仕掛けなんです)は必ず見て帰ることにしています。
(しかも、蟷螂山付近には、毎年、ある銘柄のビールを買う決まったお店まであります)
山鉾にもいろいろあるので、自分の好きなのを探してみてくださいね。
さて、京都に住んでいると、
新聞や地元ニュースで「今日は・・・がありました」とそのときそのときに流れるのですが、
京都以外では、なかなか宵山・山鉾巡行ぐらいしか報道されません。
宵山や山鉾巡行は、人が多すぎるぐらいですので、
障がいを持った方のお出かけにはつらいかもしれませんが、
あまり知られていない行事を見に、おでかけするのもいいかもしれませんね。
仕事があるので、最近なかなか見にいけていませんが、
私は「鉾建て(山と鉾を組上げる)」が一番ワクワクします。